易―中国古典選〈10〉 (朝日選書) の感想

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参照データ

タイトル易―中国古典選〈10〉 (朝日選書)
発売日販売日未定
製作者本田 済
販売元朝日新聞社
JANコード9784022590107
カテゴリ哲学・思想 » 東洋思想 » 中国 » 経書

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四書五経のひとつである易経の漢文、書き下し文と古来からの朱子らの注釈を全訳した充実した解説書。易の理解にはいくつかの決まりごとを理解した上でないと理解が不能です。最初の30ページに短い解説がありますが、これのみでは本文の理解は困難と思われます。この30ページといくつかの章を読んだ上で、その他の易の入門書(金谷治の“易の話”がお勧め)を読み、その後、本書に立ち返るという方法が理解にはよいと思われます。本書の中では、その哲学が語られる繋辞伝と八卦(乾坤震巽など)の各章あたりから読み、じっくりと通読したいところです。易には、人生における様々な状況のもとで(地位の上下、困難や利得など)、如何に人間が道徳的に振舞っていけば人生は開けるかが書いてあり、また人生は変化していくもので、それに対して人間がどのように受け入れたり、対処していくべきであるかが書かれています。ですから、易の内容 = 人生の行動指針・戒めといえます。勿論占いの方法も書かれていますので、折に触れて占いの書として使うこともでき、自分の人生に当てはめて現況にどう対処してよいか助けになることもあると思われます。この本は著者を周の文王と孔子とするなど(これらは伝説で学術的には後世の作とされる)、学術的には古い解釈ですが、古典的に易がどのように解釈されてきたかの基本を知るにはよい本です。易は思想的には儒家から道家をも幅広く含んでおり、学術的な考察を試みるには、易を構成するいくつかの“伝”が、実際にはどの時代に誰によって書かれたかを考える必要がありますが、この本では伝が書かれた歴史的時代背景の考察はされておらず古い解釈にとどまっております。なお“虎視眈々”“観光”などの語源も易にあり、また、以下のような金言に満ちた書です。

“書は言を尽くさず、言は意を尽くさず”

“易は窮まれば変ず。変ずれば通ず。通ずれば久し”

“小人は不仁を恥じず、利を見ざればすすまず”

“君子は安くして危うきを忘れず”

“物は以って久しくしてその所におるべからず”

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