世界の歴史〈17〉アメリカ大陸の明暗 (河出文庫) の感想
参照データ
タイトル | 世界の歴史〈17〉アメリカ大陸の明暗 (河出文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 今津 晃 |
販売元 | 河出書房新社 |
JANコード | 9784309471761 |
カテゴリ | ジャンル別 » 歴史・地理 » 世界史 » アメリカ史 |
購入者の感想
北アメリカと南アメリカは同じ時期にヨーロッパの侵略を受けて植民地化されたにもかかわらず、なぜその後の歴史に著しい差が出たのか、という問いに答える形でアメリカ合衆国、ラテンアメリカ諸国、カナダ連邦の形成と発展の歴史を概説した著作。
上記の問いの答えはもうよく知られていると思うが、ここでの記述はその答えに肉付けする具体例を挙げて説得力を持たせようとする工夫がよく目に付く。ラテンアメリカ諸国の独立、合衆国の膨張、南北戦争、カナダの成立と発展、いずれの記述も分量は少ないが、出来事の推移の重要なポイント及びその推移の理由については理解しやすい説明の仕方をしていると思う。
また、合衆国のモンロー宣言以後のラテンアメリカ諸国への介入を見ると、つい最近までの覇権国家としての合衆国の介入政策の雛形がここにはっきりとある。日本や東南アジアや中東での振舞いの行動原理はこの時期に培われたのが解る。というか、国家形成からフロンティアの消滅に至るまで先住アメリカ人を大量殺戮し、フロンティア消滅から程なくしてラテンアメリカ諸国を経済的・文化的・政治的に支配下に置いているのを見ると、その歴史は常に侵略国家だったという風にも読める。
他の歴史本を併せて読むとより面白みの増す文庫だと思う。
上記の問いの答えはもうよく知られていると思うが、ここでの記述はその答えに肉付けする具体例を挙げて説得力を持たせようとする工夫がよく目に付く。ラテンアメリカ諸国の独立、合衆国の膨張、南北戦争、カナダの成立と発展、いずれの記述も分量は少ないが、出来事の推移の重要なポイント及びその推移の理由については理解しやすい説明の仕方をしていると思う。
また、合衆国のモンロー宣言以後のラテンアメリカ諸国への介入を見ると、つい最近までの覇権国家としての合衆国の介入政策の雛形がここにはっきりとある。日本や東南アジアや中東での振舞いの行動原理はこの時期に培われたのが解る。というか、国家形成からフロンティアの消滅に至るまで先住アメリカ人を大量殺戮し、フロンティア消滅から程なくしてラテンアメリカ諸国を経済的・文化的・政治的に支配下に置いているのを見ると、その歴史は常に侵略国家だったという風にも読める。
他の歴史本を併せて読むとより面白みの増す文庫だと思う。