レトリック認識 (講談社学術文庫) の感想
参照データ
タイトル | レトリック認識 (講談社学術文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 佐藤 信夫 |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784061590434 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 言語学 » 言語学 |
購入者の感想
『レトリック感覚』 の (厳密にではないが) 続編。
古代からの伝統的なレトリック体系が見落としていた、「思いや認識をありのままに表現する(発見的認識の造形)」 というレトリックの役わりに光をあてる……という基本的な態度は前掲書を踏襲しつつ、レトリックの解説とともに、レトリックから 「ことば (言語) 」 の普遍的な性質を探る試み。
「ことばは事実を表現するのではなく、事実に対する私たちの見かたを表現するものだ (p.104)」 ,
「(ことばの意味の) 信頼性が、私たちの認識を保護すると同時に制限してもいる (p.146)」
など、随所に 「ことば」 への鋭い考察が光る。
『レトリック感覚』 では、あるものをあるものに置き換える…比喩的な…認識や表現としてのレトリックが主な内容であったが、本書では、「心の動き」 や 「認識の状態」 を表現する方法としてのレトリックを中心に解説している。
本書で扱っているフィギュール (ことばの <あや>) は、 黙説(中断) ・ ためらい ・ 転喩(測写) ・ 対比 ・ 対義結合と逆説 ・ 諷喩 ・ 反語 ・ 暗示引用。
高度な内容にもかかわらず飽きることなく読めるのは、著者の的確かつ温かい語り口と、解説に使われる例文が 「解説のために作られた例文」 ではなく 「実際の文学作品からの引用」 であるためだろうか。
『レトリック感覚』 を読んでいなくても得るところは大きいと思うが、やはり続編として読むほうが、一層理解が深まるだろう。
古代からの伝統的なレトリック体系が見落としていた、「思いや認識をありのままに表現する(発見的認識の造形)」 というレトリックの役わりに光をあてる……という基本的な態度は前掲書を踏襲しつつ、レトリックの解説とともに、レトリックから 「ことば (言語) 」 の普遍的な性質を探る試み。
「ことばは事実を表現するのではなく、事実に対する私たちの見かたを表現するものだ (p.104)」 ,
「(ことばの意味の) 信頼性が、私たちの認識を保護すると同時に制限してもいる (p.146)」
など、随所に 「ことば」 への鋭い考察が光る。
『レトリック感覚』 では、あるものをあるものに置き換える…比喩的な…認識や表現としてのレトリックが主な内容であったが、本書では、「心の動き」 や 「認識の状態」 を表現する方法としてのレトリックを中心に解説している。
本書で扱っているフィギュール (ことばの <あや>) は、 黙説(中断) ・ ためらい ・ 転喩(測写) ・ 対比 ・ 対義結合と逆説 ・ 諷喩 ・ 反語 ・ 暗示引用。
高度な内容にもかかわらず飽きることなく読めるのは、著者の的確かつ温かい語り口と、解説に使われる例文が 「解説のために作られた例文」 ではなく 「実際の文学作品からの引用」 であるためだろうか。
『レトリック感覚』 を読んでいなくても得るところは大きいと思うが、やはり続編として読むほうが、一層理解が深まるだろう。