現代の貧困―ワーキングプア/ホームレス/生活保護 (ちくま新書) の感想
参照データ
タイトル | 現代の貧困―ワーキングプア/ホームレス/生活保護 (ちくま新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 岩田 正美 |
販売元 | 筑摩書房 |
JANコード | 9784480063625 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会一般 |
購入者の感想
テレビやベストセラー「下流社会」の影響で、誰もが下流=貧困に陥るかのような言説が広まったが、著者はそうではなく、貧困は特定の「不利な人々」に固定化されやすいと主張する。その「不利な人々」は低学歴、非正規雇用、家族なし。3つの状況が重なり合って、貧困へと押し出されるという。著者は貧困対策として現状行われている、自立相談や職探しよりも、生活保障を受けた上で基礎学力の「学び直し」する方が抜本的な解決であると指摘した。
最後の一節で、著者は貧困解決について重要な理念を示している。貧困対策は貧困者の人権のためなので、貧困者だけが得するというが、それだけに行うものではない。貧困層と富裕層が分断すれば、犯罪も増え、社会は不安定になる。だから、貧困対策は社会全体のためにもなるのだ。
ほかにも、労働宿舎(タコ部屋)からあぶれホームレスに流れる傾向、貧困から病気、虐待、自殺などが生まれやすい状況をデータやインタビューから解明するなど、本書を読んで知るところは多かった。最近出ている「格差本」と一線を画し、極めて真面目に貧困を追い、きちんと分析が行われていて、好感を持った。
最後の一節で、著者は貧困解決について重要な理念を示している。貧困対策は貧困者の人権のためなので、貧困者だけが得するというが、それだけに行うものではない。貧困層と富裕層が分断すれば、犯罪も増え、社会は不安定になる。だから、貧困対策は社会全体のためにもなるのだ。
ほかにも、労働宿舎(タコ部屋)からあぶれホームレスに流れる傾向、貧困から病気、虐待、自殺などが生まれやすい状況をデータやインタビューから解明するなど、本書を読んで知るところは多かった。最近出ている「格差本」と一線を画し、極めて真面目に貧困を追い、きちんと分析が行われていて、好感を持った。