特捜検察の闇 (文春文庫) の感想

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タイトル特捜検察の闇 (文春文庫)
発売日販売日未定
製作者魚住 昭
販売元文藝春秋
JANコード9784167656652
カテゴリ社会・政治 » 法律 » 司法・裁判 » 一般

購入者の感想

なぜ本書が出版されるまで特捜検察を追求するジャーナリズムがなかったのか驚かされる一冊。
本書は特捜検察のエースと呼ばれ、その後悪徳弁護士と呼ばれた2人の男の物語。
この2人が弁護するのは経済事件の被告であり、その事件の詳細も仔細に語られているので、企業会計の知識がなければやや難解だろう。
ただし、本書の主題は経済事件の説明ではないので、捜査方法を把握すれば、面白く読み進められる。
追う者と逃げる者、裁く者と裁かれる者、いずれの立場もその「正義」を持つ。
全く対立する2つの立場に正義があるからこそ、世の中には割り切れない面白さがあるのだが、マスコミと世論は勧善懲悪を好むゆえ、「悪者の正義」「正義の側の闇」についての情報が、常時不足している。
「組織の目標の達成」と「正義の遂行」がほとんど同義となるよう組織は、宗教団体からマスコミまで、常に排他的にならざるを得ず、そこにチェックの機能がなければ、必ず腐敗するだろう。
特捜検察は、自他ともに正義の塊と認めるような組織だが、その闇を暴くことには読者の想像以上の困難があっただろう。
また著者が日常社会事件を追う上での重要な協力者でもあっただろうから、ある種の決別も覚悟したうえでの著書かもしれない。
硬派ジャーナリストの力作。0

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