オブジェクト指向のこころ (SOFTWARE PATTERNS SERIES) の感想

　GoF(Gang of Four)パターンは全23個です。本書では、その内10個と独自パターン2個を紹介しています。
簡単にまとめると次の内容です。
●生成に関するパターン
Abstract Factory：switch文同士が結合する問題を解決する
Factory Method：実体化するクラスの決定はサブクラスに任せる
Singleton：生成できるオブジェクトは一つだけに制限する
Double Checked Locking(独自)：マルチスレッド用のSingleton
Object Pool(独自)：生成するオブジェクトの数を管理する
●構造に関するパターン
Adapter：変えられないクラスのインターフェースを統一
Bridge：クラス継承の爆発問題を解決する
Decorator：処理を連鎖させ(ネスト構造)、動的に処理を変えられる
Facade：複雑な物を隠して、分かりやすいインターフェースを公開する
●振る舞いに関するパターン
Observer：オブジェクトの変化を通達する仕組み
Strategy：case文のアルゴリズムを切り分ける
TemplateMethod：処理の流れが共通なものをテンプレート化する

　私は過去にデザインパターンの勉強をしたことがあります。しかし、実際のコーディングや設計で、どのように活用すれば良いのかピントきていませんでしたが、本書はそれを解決してくれました。
共通性分析と可変性分析をそれぞれ概念上の観点、仕様上の観点、実装上の観点で考え、その問題を解決できるパターンを導き出していくというものです。
　サンプルコードはJavaで書かれていますが、オブジェクト指向言語を知っていれば問題なく読めます。ポリモーフィズムが理解できている方であれば、お勧めの一冊です。
変化に強い実装方法が分かるようになります。