沈みゆく大国アメリカ 〈逃げ切れ! 日本の医療〉 (集英社新書) の感想

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参照データ

タイトル沈みゆく大国アメリカ 〈逃げ切れ! 日本の医療〉 (集英社新書)
発売日2015-05-15
製作者堤 未果
販売元集英社
JANコード9784087207859
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 国際政治情勢

購入者の感想

最近、堤美果の講演を、何百名もの聴衆の最前列で聴く機会があった。主張・論理が明快であること、内容が充実していること、プレゼンテーションが巧みであることに驚嘆した。そこで、『沈みゆく大国 アメリカ――<逃げ切れ! 日本の医療>』(堤美果著、集英社新書)を手にした次第である。

著者は、日本の国民皆保険や高額療養費制度の素晴らしさを強調する。強欲資本主義に蹂躙され、極端な格差社会となっているアメリカの医療制度との比較説明が説得力を強めている。

「会社員とその家族および公務員は健康保険組合や共済組合が運営する『健康保険』に、それ以外の国民(無業者や自営業者など)は市町村が運営する『国民健康保険』に加入する。『皆保険体制(国民全員が公的保険に加入)』。『フリーアクセス(いつでもどこでも誰でも必要な医療が保障される)』。『現物給付(保険証一枚あれば、窓口負担だけですぐ医療を受けられる)』。こうして私たち日本人は、『いつでもどこでも平等に医療を受けられる』国民皆保険という宝ものを手に入れた。憲法25条の『生存権』を守る、社会保障制度。世界中から羨望のまなざしが注がれるのも無理はない」。

この国民皆保険を廃止させて、自分たちが存分に金儲けできる市場にしようと、アメリカが虎視眈々と狙っているというのだ。狙っているのは、一見、アメリカ政府のように見えるが、実は、アメリカ政府は製薬や医療機器、介護、保険などの多国籍企業の傀儡に過ぎないと喝破している。

医産複合体は、14日にTPA審議を米上院に通過させ、TPPは、今年中に妥結され、堤さんが、本書でも描写されている地獄絵図になりますが、ここでは、堤さんが専門的な対策を提示されていますので、抵抗運動は、これからが本番ですね! しかし、その背後で、TPPよりさらに恐ろしいTiSA(Trade in Services Agreement)が、貿易でなく、公共サービスの民営化の国際条約で米国を中心に23の国が、交渉中です。

ちなみに、みんなが誤解しているオバマケアは、国民皆保険でなくネオリベ民間保険への加入補助です!以下が最も簡明に定義されたオバマケアの正体です。

堤さん:(オバマケアによって)保険会社は病気等を理由に加入拒否できなくなった代わりに、自社の保険商品の利益を維持するため安い保険商品の廃止、保険料の値上げ、指定病院、医師リストを縮小、処方薬を保険から外すなどを実施した。政府の薬価交渉権もないままなので、製薬会社は引き続き薬価を上げ放題だ。(本書、P.94)

更に本書では、ネオリベ医療政策への対策として、堤さんは医療は医師だけでなく、保険補導員等の予防医療のプロの増員、ネオリベに対して従来の右派と左派の共闘、給食で医療費を下げること、地方自治体ごとで保険料の決め方が異なるのを逆手にとり、減免措置や滞納者への窓口負担10割の資格証明書発行等の地域、地方自治体を主軸に対処する案(地域主権を砦として多国籍企業を主体とするネオリベに抗する戦術)を提示されています。

そして、最後に堤さんはこう結論づけています。

堤さん:経済成長という旗を振りながら、医療を商品にし、使い捨て市場となるのか。世界一素晴らしい国民皆保険制度と憲法25条の精神を全力で守り、胸を張って輸出していくのか。それは単なる医療と言う一つの制度の話ではなく、人間にとって、命とは何か、どうやって向き合ってゆくのかという、普遍的な問いになるだろう。(本書、P212)

本書は、全日本国民の必読書!

医産複合体は、14日にTPA審議を米上院に通過させ、TPPは、今年中に妥結され、堤さんが、本書でも描写されている地獄絵図になりますが、ここでは、堤さんが専門的な対策を提示されていますので、抵抗運動は、これからが本番ですね! しかし、その背後で、TPPよりさらに恐ろしいTiSA(Trade in Services Agreement)が、貿易でなく、公共サービスの民営化の国際条約で米国を中心に23の国が、交渉中です。

ちなみに、みんなが誤解しているオバマケアは、国民皆保険でなくネオリベ民間保険への加入補助です!以下が最も簡明に定義されたオバマケアの正体です。

堤さん:(オバマケアによって)保険会社は病気等を理由に加入拒否できなくなった代わりに、自社の保険商品の利益を維持するため安い保険商品の廃止、保険料の値上げ、指定病院、医師リストを縮小、処方薬を保険から外すなどを実施した。政府の薬価交渉権もないままなので、製薬会社は引き続き薬価を上げ放題だ。(本書、P.94)

更に本書では、ネオリベ医療政策への対策として、堤さんは医療は医師だけでなく、保険補導員等の予防医療のプロの増員、ネオリベに対して従来の右派と左派の共闘、給食で医療費を下げること、地方自治体ごとで保険料の決め方が異なるのを逆手にとり、減免措置や滞納者への窓口負担10割の資格証明書発行等の地域、地方自治体を主軸に対処する案を提示されています。

そして、最後に堤さんはこう結論づけています。

堤さん:経済成長という旗を振りながら、医療を商品にし、使い捨て市場となるのか。世界一素晴らしい国民皆保険制度と憲法25条の精神を全力で守り、胸を張って輸出していくのか。それは単なる医療と言う一つの制度の話ではなく、人間にとって、命とは何か、どうやって向き合ってゆくのかという、普遍的な問いになるだろう。(本書、P212)

本書は、全日本国民の必読書!

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集英社から発売された堤 未果の沈みゆく大国アメリカ 〈逃げ切れ! 日本の医療〉 (集英社新書)(JAN:9784087207859)の感想と評価
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