すばる2014年10月号 の感想

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参照データ

タイトルすばる2014年10月号
発売日2014-09-05
販売元集英社
JANコード4910054591040
カテゴリジャンル別 » 雑誌 » 文芸・総合 » 文芸

購入者の感想

文芸誌を買うたびに思う、こんなに長いのよく書くなあと。

私は、文庫なら薄い奴、
単行本なら文字が大きくて行間が広くて薄い奴が好きだ。
私だって夢の中では、よく文章を書く。
しかし、仕上がりは限りなく薄い。

講演会では何を喋ればいいのか、
カッコいいサインの書き方は?どうしても筆ペンじゃなきゃダメなのだろうか?

百年の孤独なら買ってある。5ページで寝た。今は見えない都市に挑戦中だ。

今号には、
加賀乙彦・ボリス=アクーニン・沼野充義の鼎談「文学と歴史を架橋する」と、
小林エリカ・巽孝之の対談「遠い時間とのつながりを見つめる」が掲載された。
前者も後者も、一生のうちの相当長い時間を文学に賭ける、賭けてきた、
その事を、こともなげに語る文学者の凄みを感じさせた。

沼野先生は、「私はたいへん怠け者なので、私がやると
いつ本ができるかわかりません。」と謙遜するが本気の覚悟がいると思う。
アクーニン先生は、翻訳に疲れたから自分で書くようになった、と言うが、
その翻訳を20年我慢して続けている。
加賀先生は、「永遠の都」とその続編「雲の都」の執筆に57歳から没頭して、
25年で9,000枚、書き終えたときに気がついたら82歳になっていたと言う。

後者の対談でも、小林先生は、10歳の頃にアンネの日記で覚醒し、
以来、ずっと作家になりたいと思い続けて今に至るそうだ。
巽先生はそれを、個人の中でじっくり醸成して、10年、20年かけて
ようやく何かが出てくる、そういう過程なのだと言う。

長い時をかけた答えを、一生でたった1つでも探し出すのが、
文学というもの、ひいては人の一生というものなのかも知れない。

軟弱な私は、プロが持つこの強い意志に相当する資質を
何ひとつ持っていないという事が、今回判明したのであった。

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