村上さんのところ の感想

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参照データ

タイトル村上さんのところ
発売日販売日未定
製作者村上 春樹
販売元新潮社
JANコード9784103534310
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学

購入者の感想

 2015年1月15日から5月13日の17週間に渡って一般読者からの質問や人生相談めいたメールを受け付け、寄せられた3万7465通のメールに村上春樹が回答した文章のうち473通を選んで掲載した一冊です。予想以上に膨大な数のメールが寄せられたため、読み終えるのに3カ月を要する一大企画となったようです。

 『1Q84』の続編は考えているのかという18歳の学生の質問に対しては、「僕の印象では『1Q84』にはあの前の話があり、あのあとの話があります。いわば長い因縁話みたいになっています。それを書いた方がいいのか、書かないままにしておいた方がいいのか……。」(14頁)とか、「青豆さんはコスタリカに行って、無事に女児を出産なさいました(という話を風のたよりに聞きました)。」(209頁)といった具合に、なんとも思わせぶりたっぷりな回答がなされています。

 結婚して8年で子どもが出来ないことを悲観している様子の44歳の会社員に対しては、子どもがいないことで「人生を生きるというクォリティーがそれで左右されるということは」なく、「作業の方向性が少し変わるだけ」と語りかけます。「いずれにしてもそのクォリティーを少しでも誠実にあげていくことです。奥さんと仲良くやっているのなら、それで素晴らしいじゃないですか」(17頁)。
 さらに同様の質問を投げかける43歳の学習塾経営者に対しても、「僕にも子供はいませんが、ため息なんてついていませんよ。『無条件に愛することができるもの』は与えられるものではなく、自分で見いだしていくものです。与えられなかったことを嘆いているだけでは、人間として進歩がありません。あなたがあとに残せるのはなにも、自分の子供だけではないはずですよ」(95頁)と、聞きようによっては少なからず厳しい言葉を返します。

生きていく上で、人とかかわる上で、仕事をしていく上で、
大事なことが詰まっている。

まめで律儀な村上さんに感動した。

☆心にとまった言葉。

・本当に大事なことは多くの場合、
痛みと引き替えにしか手に入りません。

・大事なものがほしければ、大事なものを
差し出す必要があります。

・小説家にとっていちばん大事なのは
一人ひとりの人の心です。もしそれを
踏みにじるもの、踏みにじろうと
するものがいれば、それを防ごうとするのは
ほとんど本能的な行為です。

・言葉は実際にナイフのように
人を切り裂きます。だから僕は慎重に慎重をかさねて
文章を書いています。こういうやりとりも、
いい加減にほいほい書いているように見えるかも
しれませんが、これでずいぶん神経をつかって
書いているし、何日か寝かせて、用心に用心を
重ねています。僕はなんといっても
言葉のプロですから、失敗は許されません。

・僕としては自分の大事な読者を
(たとえいくらかの欠点は見受けられたと
しても)ボロクソに言うわけにはいきません。

・自分のことは自分で考えて、自分で判断し、
自分で責任をとっていくしかありません。

・僕が個人的に心がけているのは、
 1 自分のことに意識を集中し
 2 他人のことはほうっておく

ということです。そうすれば
性格の悪さは(あるいは「良くなさ」は)まわりに
さほど実害を及ぼしません。

そのためにはまず
自分のやりたいことを見つけなくてはいけません。

・大事なのは勇気を持って前に進んでいくことです。
100%を目指しつつ87パーセントも
悪くないかなと実感することです。

・(生きることが辛いときには)身体を動かしなさい。

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