イタリア料理の本 の感想

最初は「写真が暗いなー。美味しそうに見えないなー」と、ほとんど見てるだけの本でした（汗）。ところがある日、ふと、タマネギと卵のオムレツみたいなのを作ったところ・・・絶句するぐらいに美味しかったのです。ただただ、タマネギをとろとろに炒めて、卵を流し込んだだけなのに。「だけ」なのだけれど、ちょっと料理が好きな人には「だけ」ってできなかったりする。せめてニンニクとか胡椒入れていたかも。でも、あえてうまみをタマネギだけにすることでこんな深いところがあったのね、と、イタリアの片田舎の食堂にワープしたかのような感覚に教われるほどの衝撃でした。
それからは、片っ端から作るわ作るわ。トラパーニ風のトマトソースなんて、少しでも近づきたくてオリーブのすり鉢を購入しました。やっぱりミキサーでなく手でアーモンドをすりつぶすと、舌触りがじんわりあったかくてたまりません。夫も、この本のレシピは必ず「美味しいねー」と言ってくれます。クールかつ簡潔でありながら料理愛を感じるエッセイもとても好きです。生涯の１冊と言っても過言ではないです。