新しい和声──理論と聴感覚の統合 の感想

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参照データ

タイトル新しい和声──理論と聴感覚の統合
発売日販売日未定
製作者林達也
販売元アルテスパブリッシング
JANコード9784865591200
カテゴリ » ジャンル別 » 楽譜・スコア・音楽書 » クラシック

購入者の感想

P254の外声間連続8度は増刷2刷で修正されていましたが、このレビューで該当箇所を指摘したのはかなり前です。指摘をしてから10月の増刷まで、出版社のHPなり、小鍛冶氏の連載なり、林氏のメディア出演なりで訂正をする機会は何度もあったにも関わらず、ここまで放置でした。
自分たちの明らかな非は認めずに、開き直るかのように正当性を主張しつづけ、決定的な不備はこっそり直すといった姑息な態度を芸大の教科書の著者がとってよいものでしょうか。多いに疑問です。
指摘した以外の箇所にも内声間の連続5度など明らかな不備がありますが、そちらは修正されていません。範例全般を見直した訳ではないようなので、2刷の範例も禁則が放置されている事には変わりありません。
(ここで指摘するとその部分だけ修正するようなので、具体的な箇所の指摘はしません。不備くらい自力で直してほしいものです。)
後半に掲載されている実施範例は、禁則の放置・不自然な内声の跳躍・響きの悪い3音重複や5音重複の多用、などにより初学者には有害なものが非常に多いです。いくつかは以下の文章に具体例と、問題と考えられる根拠をあげて記載しています。
購入者(特に和声初学者)は、著者の肩書や芸大の教科書であるという名目に騙されず、以下に記述した具体例を参考にして、本当に自分の耳に覚えさせる価値のある実施であるかを慎重に判断してもらいたいと思います。

著者の肩書き、名目や『繰り返しの演奏・聴取に耐える美しい課題』という宣伝文句に多くの学習者が騙されてしまい、正しい和声感覚が身につけられないどころか、禁則・不自然な和声進行や声部進行に対して鈍感な耳になってしまい、取り返しがつかなくなってしまう事を本気で危惧します。
(連続8度などの禁則は、流儀の違いで言い訳できるものではありません。著者も出版社も、禁則が多く発見されてしまった時点で実施例を全面的に見直し、次版の改訂などの悠長な事ではなく、早急に訂正するのが、教育者として最低限の責任ではないでしょうか。)

気付いた不備な事項のいくつかをあげていたら、想像以上に長いレビューになってしまったため、最も重要な点を冒頭に書きました。

後半に掲載されている実施範例は、禁則の放置・不自然な内声の跳躍・響きの悪い3音重複や5音重複の多用、などにより初学者には有害なものが非常に多いです。いくつかは以下の文章に具体例と、問題と考えられる根拠をあげて記載しています。
購入者(特に和声初学者)は、著者の肩書や芸大の教科書であるという名目に騙されず、以下に記述した具体例を参考にして、本当に自分の耳に覚えさせる価値のある実施であるかを慎重に判断してもらいたいと思います。

著者の肩書き、名目や『繰り返しの演奏・聴取に耐える美しい課題』という宣伝文句に多くの学習者が騙されてしまい、正しい和声感覚が身につけられないどころか、禁則・不自然な和声進行や声部進行に対して鈍感な耳になってしまい、取り返しがつかなくなってしまう事を本気で危惧します。
(連続8度などの禁則は、流儀の違いで言い訳できるものではありません。著者も出版社も、禁則が多く発見されてしまった時点で実施例を全面的に見直し、次版の改訂などの悠長な事ではなく、早急に訂正するのが、教育者として最低限の責任ではないでしょうか。)

・40数年ぶりに東京芸大の教科書を刷新
・伝統的な数字付き低音を採用
・和声教育の新時代を拓く国際水準の教本
という宣伝に加えて、『厳格対位法』『バッハ様式によるコラール技法』などの良書を公表している執筆陣による新作だけに、芸大和声全3巻を凌駕する画期的な教本に違いないと思った人は多いと思う。
しかし、本編の説明は不備と論理矛盾だらけ、範例は禁則と不快な響きだらけの駄本である。

まだ、数時間眺めた程度であるが、最初の印象は
1 規則や禁則の譜例を列挙しているだけで、理論的背景の説明がほとんどない
2 説明の順番が上手く系統だてられていないため、内容が前後し、非常に読みにくい

・40数年ぶりに東京芸大の教科書を刷新
・伝統的な数字付き低音を採用
・和声教育の新時代を拓く国際水準の教本
という宣伝に加えて、『厳格対位法』『バッハ様式によるコラール技法』などの良書を公表している執筆陣による新作だけに、芸大和声全3巻を凌駕する画期的な教本に違いないと思った人は多いと思う。
確かに課題の実施例は、芸大和声全3巻よりも美しく聴き応えがある物が多そうなのだが、本編の説明はイマイチである。

まだ、数時間眺めた程度であるが、最初の印象は
1 規則や禁則の譜例を列挙しているだけで、理論的背景の説明がほとんどない
2 説明の順番が上手く系統だてられていないため、内容が前後し、非常に読みにくい
3 譜例の説明につけられる『まれにみられる』『許容される場合もありうる』『使われる場合もある』『避けることが望ましい』『望ましい』などの語句の定義があいまいで、結局のところ『可能』なのか『禁止』なのかがわからない(著者の感覚的な頻度を示していると思われるが、この種の教本では明確な定義付けがないと、学習者を混乱に陥れる危険がある)
4 教本内で論理的に一貫していないと思われる記述がある
といった感じ。

2に関しては、例えば
・20ページで『三全音の対斜』や『刺繍和音』などの用語がでてくるが、その前提となる『対斜』『刺繍音』の説明がそれ以前にない。
・47ページで『VII和音の根音は導音重複のため絶対にできない』とあるが、53ページの反復進行では『導音重複にならない』と書かれ、57ページの注で初めて『反復進行の場合、機能性を持たないVII度和音の根音重複が許される』と説明される。
・66ページの本格的な実施に入る前段階で、ドリア6度、増6和音、ナポリ和音などの譜例があり説明と課題実施が前後する
この他にも色々あるが、既に和声全般の基礎知識がある人ならまだしも、初心者はまず理解不能であろうと思う。

4に関しては、

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