友だちリクエストの返事が来ない午後 の感想

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参照データ

タイトル友だちリクエストの返事が来ない午後
発売日販売日未定
製作者小田嶋隆
販売元太田出版
JANコード9784778314453
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 著者別 » あ行の著者

購入者の感想

年を重ねてから親友とか友情とか、意味がわからなくなってきて、Twitterでは毒づいてる印象の小田嶋さんはどう考えているのかしら?と興味がありました。友人が少なくてなんとなく不安な気持ちだった自分としては、ん〜なるほどたしかに、と思えました。斜に構えた感じの内容なのかなと予想していたら、優しさもだいぶまとってる印象で、扉の言葉も考えさせられる.これ、なかなか素敵な本。満足。他の本も読みたいです。

小田嶋隆さんの友情論です。
子供が社会化されていくプロセスや、年齢に応じた関係の持ち方、見えないところで進んでいる社会的
分断など、友達付き合いをキーとして、社会と、その社会の中での個人のあり方のさまざまを点描した
優れた世相エッセイとなっています。

著者ご本人は、「自分がアカデミックなことを書いてもしょうがない」的なことも書かれていますが、たとえば
編集者なりの第三者が、社会化や逸脱などのトピックに応じた文献注をつけていけば、社会化や教育
社会学、社会心理学の、たいへんに読みやすい入門書になるのではないでしょうか?
誰かやってくれないかな。

また、章の合間に著名どころのエピグラフが挿入されていますが、そのエピグラフに対する著者のコメント
(?ツッコミ?パロディ?)が秀逸で、いつの日か、小田嶋版『悪魔の辞典』の刊行を期待したいところ
です。

論じられている内容も多岐にわたりながら、ときに重く、読者に、思考だけではなく、自分のあり方、
来し方、行く末までも、「覚悟」を迫るようなものとなっており、その一方で読みやすく、わかりやすいこと
は驚嘆します。

最後に、一般論として論じながら、いずれ友情とか恋愛を語る場合には、どうしても個別具体的な「私
の」友情や恋愛を語らざるを得ないとするところは、とても大事な指摘で、この意味でも、上述のアカデミ
ックな入門書に最適であることを述べておきたいと思います。
個別と一般を、どう抽象するか。

いろんな観点から、広く読まれて欲しい一冊です。

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