随筆集 明治の東京 (岩波文庫) の感想

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参照データ

タイトル随筆集 明治の東京 (岩波文庫)
発売日販売日未定
製作者鏑木 清方
販売元岩波書店
JANコード9784003111628
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 日本のエッセー・随筆 » 近現代の作品

購入者の感想

挿絵を描かれる方なのですが、けれんのない、端正で品のある文章が素晴らしい。
ゆっくりと味わいながら読んでいます。

日本画,特に美人画の名手として今なお人気の高い清方ですが,随筆の名手でもあり,とても画家の余技といったものではありません。

清方の代表作のひとつに『築地明石町』という作品がありますが,今「築地」と言うとおそらく誰もが「魚河岸」と考えるでしょうが,明治期築地には外国人居留地があり,異国風の香りがあった町だったということもこの随筆を読むとよく分かります。
『築地明石町』を見る目も少し変わります。

清方が求めた美というのは,江戸の町が育んだ美,それにつきます。
そして,清方の絵にも随筆にも江戸へのノスタルジーが溢れていて,それが美しい幻を描き出します。

この随筆集に収められてるたとえば「前垂れ」の美について語る清方の美意識の高さは,江戸の町が洗練させたもので,その美意識は今はほぼ失われたものでしょう。

歌舞伎の『義経千本桜』の『すし屋』でお里がしている前垂れや,『喜撰』でお梶がしている前垂れを,今でも自分たちは舞台で見ることはできますが,だれも清方のようには見ることはできません。0

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