夜の国のクーパー の感想
参照データ
タイトル | 夜の国のクーパー |
発売日 | 2012-05-30 |
製作者 | 伊坂 幸太郎 |
販売元 | 東京創元社 |
JANコード | 9784488024949 |
カテゴリ | 文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » あ行の著者 |
購入者の感想
妻に浮気をされた男が憂さ晴らしに出かけた海釣りで遭難し
漂着した謎の島で人間の言葉を話す猫「トム」に出会う
猫の口から語られた島の人間界での戦争の物語
壁に囲まれた猫の国とその国に侵攻してきた「鉄の国」の兵士たち
国家の危機に対する人々の反応を猫の視点と人間の視点、それを聞く
主人公の男の視点と多角的に語られる事によって起こっている出来事の
違った側面が見えてくる
「自分が真実だと思い込んでいるかもしれない事を疑え」という作者からのメッセージが
くり返し流れてくるように何度も覆る「真実(だと思っていたもの)」は
最後には読者さえも巻き込んでいく
伊坂幸太郎のデビュー作「オーデュボンの祈り」を彷彿させるような
寓話的異世界ファンタジー奇譚
漂着した謎の島で人間の言葉を話す猫「トム」に出会う
猫の口から語られた島の人間界での戦争の物語
壁に囲まれた猫の国とその国に侵攻してきた「鉄の国」の兵士たち
国家の危機に対する人々の反応を猫の視点と人間の視点、それを聞く
主人公の男の視点と多角的に語られる事によって起こっている出来事の
違った側面が見えてくる
「自分が真実だと思い込んでいるかもしれない事を疑え」という作者からのメッセージが
くり返し流れてくるように何度も覆る「真実(だと思っていたもの)」は
最後には読者さえも巻き込んでいく
伊坂幸太郎のデビュー作「オーデュボンの祈り」を彷彿させるような
寓話的異世界ファンタジー奇譚
伊坂幸太郎さんの本は、物語の意外性であったり、思いもよらぬ話の展開であったりで
どんどん、読者を引きこんでいき、気がつくと左手の残りのページ数もあとわずか!
”え~っ、もうラスト~”と思うことしばしば。読み終わったあとの余韻に浸る作品が多く、
いつも楽しみに読んでいます。
しかしこの物語はそういうところがなく、淡々と読んでしまいました。
どこで盛り上がるの?言いたいことはわかりますけど。。。という感じです。
期待が大きかったため、落胆も大きいです。。。
どんどん、読者を引きこんでいき、気がつくと左手の残りのページ数もあとわずか!
”え~っ、もうラスト~”と思うことしばしば。読み終わったあとの余韻に浸る作品が多く、
いつも楽しみに読んでいます。
しかしこの物語はそういうところがなく、淡々と読んでしまいました。
どこで盛り上がるの?言いたいことはわかりますけど。。。という感じです。
期待が大きかったため、落胆も大きいです。。。
伊坂さんの小説はずっと追ってきたので本屋で見つけて衝動買いしてしまいました。
ファンタジーということもあって印象は「オーデュボンの祈り」に近く、読んでいて
原点回帰したか、と言う感じでした。故に著者の感情、思想の変化、そして、
それに対する変わらない想い、批判、ユーモアなどが比較しやすく、ここまで読んできて
とても感慨深い思いでいっぱいになりました。
個人的に最近の伊坂さんの作品は、物語の雰囲気やテンポが過去の付け焼刃だったり、
話が会話や言葉遊びに収斂しすぎて軽すぎるな、という感じを持っていたので新しい
クーパーの世界に引き込まれました。
戦争、政治などに対する批判や暴力、強姦に対する疑問、卑怯で賢く、残忍な悪役、
などはおなじみですが、社会問題や政治問題にはクーパー独特の世界感と
登場人物である猫とネズミの関係になぞってメスを入れているので知識不足感や説教臭さがなく
納得しながら読むことができました。
しかし今回この小説で彼が言いたいことは「帰ろう!」なんだと思います。
帰る所がある幸せ、帰る人がいる幸せ。私には伊坂さんが、今まで考えてきた
問題も大切だけれど、今、帰る所、帰る人がいる幸せを感じて、少しづつ変えて
行こうぜって応援してくれているように感じました。
物語の展開も伊坂さんらしく最後にドッキリさせてくれて、そして読んだ後、とても優しい
気持ちになりました。
とても温かい物語で、伊坂さんの優しい人柄が小説に溢れていました。
個人的には自信を持ってお薦めしたい作品でした。
ファンタジーということもあって印象は「オーデュボンの祈り」に近く、読んでいて
原点回帰したか、と言う感じでした。故に著者の感情、思想の変化、そして、
それに対する変わらない想い、批判、ユーモアなどが比較しやすく、ここまで読んできて
とても感慨深い思いでいっぱいになりました。
個人的に最近の伊坂さんの作品は、物語の雰囲気やテンポが過去の付け焼刃だったり、
話が会話や言葉遊びに収斂しすぎて軽すぎるな、という感じを持っていたので新しい
クーパーの世界に引き込まれました。
戦争、政治などに対する批判や暴力、強姦に対する疑問、卑怯で賢く、残忍な悪役、
などはおなじみですが、社会問題や政治問題にはクーパー独特の世界感と
登場人物である猫とネズミの関係になぞってメスを入れているので知識不足感や説教臭さがなく
納得しながら読むことができました。
しかし今回この小説で彼が言いたいことは「帰ろう!」なんだと思います。
帰る所がある幸せ、帰る人がいる幸せ。私には伊坂さんが、今まで考えてきた
問題も大切だけれど、今、帰る所、帰る人がいる幸せを感じて、少しづつ変えて
行こうぜって応援してくれているように感じました。
物語の展開も伊坂さんらしく最後にドッキリさせてくれて、そして読んだ後、とても優しい
気持ちになりました。
とても温かい物語で、伊坂さんの優しい人柄が小説に溢れていました。
個人的には自信を持ってお薦めしたい作品でした。