渋滞学 (新潮選書) の感想

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参照データ

タイトル渋滞学 (新潮選書)
発売日販売日未定
製作者西成 活裕
販売元新潮社
JANコード9784106035708
カテゴリビジネス・経済 » 産業研究 » 交通 » 一般

購入者の感想

 読んでみて、思ってたよりずっと「学」なので驚いた。どういう畑の人が書いているのか知らなかったってのもあるのですが。そして「渋滞学」ってのが歴史が浅いにも係わらず、様々な「学」とリンクしていて、これから大いに発展していく可能性のある学問なんだってことも理解出来ました。とにかく面白い!文系アタマの人間にとっては、着想とか物事の捉え方一つ一つが新鮮なのですねぇ。数学者、科学者ってこう考えるんだぁ、って発見。渋滞っていう日常的な事象ひとつ取ってみても文学的なアプローチと科学的なそれって違うんだなぁっていう。しかしながら、この著者は、科学者のアタマだけでなく文学的な眼差しを持ってるし、理屈から入るんじゃなくて感覚で捉える柔軟性が垣間見られるんだよなぁ。大体、相当奥の深い専門的な内容だろうものを、ここまで素人に解り易く伝えられるってのがすごい。待ち行列理論の「待ち時間=待ち人数÷人の到着率」なんて公式は言われりゃ単純だけど、即、給料日の銀行ATMで使えるもんなぁ。高速道路での渋滞原因の1位が、「事故」「合流」を上回って、「サグ部(ゆるやかな上り坂)」だってことや、その理由も面白い。それにしても、交通渋滞による経済損失が年間12兆円とはねぇ。「本音をいえば、この結果は本書には書きたくなかった」っていう、「混んできた場合は走行車線を走ったほうがよい」といった身近なお得ネタなど、「学」から「実用」の部分まで幅広い知見がふんだんに盛り込まれていて飽きさせない。しかも「渋滞」の枠を超えて、森林火災とかマネーフローとかリボゾームとか一見渋滞とは関係なさそうな領域や、流行のスケールフリーネットワークにまで話が展開していくから興味は尽きない。理学部と工学部の分離化を嘆く件があるけど、個々の専門性をベースにしながらも、その連携、融合による学問の拡がりってのがより重要なんだろうなって思いましたね。

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