貧困旅行記 (新潮文庫) の感想
参照データ
タイトル | 貧困旅行記 (新潮文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | つげ 義春 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784101328126 |
カテゴリ | 文学・評論 » エッセー・随筆 » 著者別 » た行の著者 |
購入者の感想
確か二度目の読書だと思いますが、この新版は追加された章があり、とても楽しめました。
冒頭の「本人蒸発」エピソードから、その気まぐれぶり、相手に対する思いやりのなさぶりなどぶっ飛んでいます。
読後の後味は微妙ですが、独特のつげ世界がお好きな方にはお薦めです。
冒頭の「本人蒸発」エピソードから、その気まぐれぶり、相手に対する思いやりのなさぶりなどぶっ飛んでいます。
読後の後味は微妙ですが、独特のつげ世界がお好きな方にはお薦めです。
失われ行く日本の田舎の風景や人々との触れ合い、著者のやや屈折した逃避願望の2つが本書を面白いものにしている。
著者は、日本全国の寂れた温泉地に赴き、老人ばかりが住む昔ながらの町並みのなか、古い旅館を泊まり歩き、ビジネスホテルなどでは味わえないような現地の人々との触れ合いを体験する。こうした古い町は、寂れた幻想的な雰囲気を醸し出す著者の漫画での風景のモデルにもなっているが、いまは失われつつあるものばかりで、著者の旅を追体験して秘湯めぐりを楽しもうかという気にさせてくれる。
また突然九州に蒸発旅行を決行したり、寂れた田舎への移住を本気で考えながら旅を続ける神経衰弱気味の著者の行動も面白く、人生には上昇志向やきらびやかな都会志向だけでないいろいろな発想があるのだと、読む者に語りかけてくるようでもある。0
著者は、日本全国の寂れた温泉地に赴き、老人ばかりが住む昔ながらの町並みのなか、古い旅館を泊まり歩き、ビジネスホテルなどでは味わえないような現地の人々との触れ合いを体験する。こうした古い町は、寂れた幻想的な雰囲気を醸し出す著者の漫画での風景のモデルにもなっているが、いまは失われつつあるものばかりで、著者の旅を追体験して秘湯めぐりを楽しもうかという気にさせてくれる。
また突然九州に蒸発旅行を決行したり、寂れた田舎への移住を本気で考えながら旅を続ける神経衰弱気味の著者の行動も面白く、人生には上昇志向やきらびやかな都会志向だけでないいろいろな発想があるのだと、読む者に語りかけてくるようでもある。0