それでもわたしは山に登る の感想

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参照データ

タイトルそれでもわたしは山に登る
発売日販売日未定
製作者田部井 淳子
販売元文藝春秋
JANコード9784163766607
カテゴリ » ジャンル別 » スポーツ・アウトドア » 登山・ハイキング

購入者の感想

あの田部井さんが闘病中とは驚きだ。

前半の第1章「山から学んだこと」には、「まえがき」にあるように、
「この大震災後、山で切羽詰まった状態になった時、つまり土壇場に立たされた時、
どう行動したかについて本にしたいという話を編集部からいただいた。」ことに応える内容の体験談が書かれている。
時宜を得た編集意図はよくわかるし、執筆内容もそれにふさわしい独自性を持っており、興味深い内容になっている。
著者は心身ともにタフであるだけでなく、強運の人だと思っていたが、
多くの輝かしい登山歴(本書の末尾に記録されている。)の中にもいろいろ大変なことに直面してきたんだなぁ、と
感慨深く読んだ。登山隊員間に生じる問題や、過酷な自然との闘い、と。

書名と同じ第2章「それでもわたしは山に登る」は、発病した昨年来の思索や行動の記録と意思表明。
図らずも、人生ののっぴきならぬ局面においてどう行動するか、という形で身をもって編集意図に応えるはめとなった。
受け入れがたい現実を、何とか自分に言い聞かせるように冷静に納得しようとしているところは、
正直言って、痛々しい。しかし、ご主人をはじめ、暖かいご家族の方々や広く知人友人に囲まれ、闘病しつつも
可能な山歩きをし続けている姿にはただあっぱれと思うしかない。
手術・入院をはさんで「東北応援の夕べ〜うたとトーク」や「被災した東北の高校生を日本一の富士山へ」の企画を
予定通り実現させる。山頂に立った高校生たちの達成感・満足感は、そのまま著者にも還ってきて励まされる、というしくみ。
だから自分もまたあきらめずに山歩きをし続ける、という前向きの姿勢を変えない。
闘病と並行してこれからも国内外の山歩きを初め、「目の前にある今を精いっぱい過ごす」とのことである。

これまで折に触れて読んできた著者のエッセイだが、肩に力を入れず気さくに語りかけるように書かれた文章には好感を持ってきた。
この本も同様にユーモアを失わず読者へのサービス精神にあふれている。
今後出合う体験談などもこれまでどおり次々書き続けていただきたい。0

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