植物が出現し、気候を変えた の感想

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参照データ

タイトル植物が出現し、気候を変えた
発売日販売日未定
製作者デイヴィッド・ビアリング
販売元みすず書房
JANコード9784622078722
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 地球科学・エコロジー » 地球科学

購入者の感想

 『生命40億年全史』や『生命 最初の30億年』ではシノバクテリアが10億年もかけてせっせと二酸化炭素から酸素をつくりつづたことや、スノーボールアースのような寒冷化があったことに驚きましたが、本書では最近の古生物学、気候科学、分子生物学などの成果によって、詳細に気候変動がわかるようになったというか、植物の進化や分布拡大が地球の大気構成や天候をダイナミックに変えたことがわかるようになった成果が描かれています。

 例えば、地球のほとんどが氷結したスノーボールアースは、植物が分布を広げて二酸化炭素を奪いまくり、温室効果が急激に低下したから発生したとか。結局、植物の存続も危うくなって大気から奪われる二酸化炭素の量が減って気候も安定した、と(p.47-)。60cmを超える巨大トンボが出現したような石炭紀は酸素濃度が上昇していましたが、それは皮膚呼吸で原始的なエラと肺の組み合わせで呼吸していた陸に上がったばかりの両生類や節足動物にとっても助けになった、と。酸素が濃ければ、二酸化炭素を楽に取り除けるからとか(p.72)。

  地球のアキレス腱はオゾン層だというのも、なるほどな、と。オゾン層がシベリア・トラップによって破壊された後は、紫外線Bの増大で、植物の突然変異が大量に発生したとか。

 3章ではレイリー散乱のレイリー卿の息子さんがオゾン層を発見する話しとか、NASAがビッグデータを処理しきれない間にイギリスの探検隊がオゾンホールをたまたま見つけたとか、意外と新しい話しなんだな、と感動しながら読んでました。生物と気候システムの複雑なフィードバック網はまだ完全に解明されたわけではありませんが、ますます植物=生物圏という認識を高めることができました。

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みすず書房から発売されたデイヴィッド・ビアリングの植物が出現し、気候を変えた(JAN:9784622078722)の感想と評価
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