ルネサンス 経験の条件 の感想
参照データ
タイトル | ルネサンス 経験の条件 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 岡崎 乾二郎 |
販売元 | 筑摩書房 |
JANコード | 9784480873279 |
カテゴリ | 芸術一般 » 美術史 » 西洋美術史 » ルネサンス |
購入者の感想
アンリ・マティスのヴァンス礼拝堂壁画の考察に始まり、フェルメール作『信仰のアレゴリー』分析に終わる本書ですが、中心となって語られるのはフィリッポ・ブルネレスキとマサッチオという、ルネサンス期を生きた二人の天才的人物についてです。
ブルネレスキとマサッチオに関しては、彼らの業績に比べて二人を扱った書籍が少なすぎるように思われます。ですから、ここで語られる彼らの仕事や逸話、たとえば、あまりに巨大なため技術的困難に直面したサンタ・マリア大聖堂のクーポラ製作の問題を、ブルネレスキがいかに解決したかという論述や、ルネサンス絵画にはじめて遠近法を用いたマサッチオ作『三位一体』の考察など、そのいずれもが貴重な試みであり面白く読みました。
しかし、なんといっても圧巻なのは、マサッチオとマゾリーノ共同制作のブランカッチ礼拝堂壁画の分析です。
著者はあとがきで、「ブランカッチ礼拝堂壁画の分析は、本書がもっとも誇りうる美術史的発見といえるかもしれない。少なくとも筆者自身には、この発見は震えるほどの驚きをもたらした」と述べていますが、本書の壁画分析は、読者にも大きな驚きをもたらすのではないかと思います。
ブルネレスキとマサッチオに関しては、彼らの業績に比べて二人を扱った書籍が少なすぎるように思われます。ですから、ここで語られる彼らの仕事や逸話、たとえば、あまりに巨大なため技術的困難に直面したサンタ・マリア大聖堂のクーポラ製作の問題を、ブルネレスキがいかに解決したかという論述や、ルネサンス絵画にはじめて遠近法を用いたマサッチオ作『三位一体』の考察など、そのいずれもが貴重な試みであり面白く読みました。
しかし、なんといっても圧巻なのは、マサッチオとマゾリーノ共同制作のブランカッチ礼拝堂壁画の分析です。
著者はあとがきで、「ブランカッチ礼拝堂壁画の分析は、本書がもっとも誇りうる美術史的発見といえるかもしれない。少なくとも筆者自身には、この発見は震えるほどの驚きをもたらした」と述べていますが、本書の壁画分析は、読者にも大きな驚きをもたらすのではないかと思います。