万葉集の発明―国民国家と文化装置としての古典 の感想

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参照データ

タイトル万葉集の発明―国民国家と文化装置としての古典
発売日販売日未定
製作者品田 悦一
販売元新曜社
JANコード9784788507463
カテゴリ古典 » 日本の古典 » 古代・中世文学 » 万葉集

購入者の感想

万葉集の作品個々の評価をいったん脇に置いて、なぜこの歌集が「国民の古典」とされるようになったのか、その歴史的背景に焦点を定めて論じたもの。近代日本国家が「日本」の詩歌を創出しようと試行錯誤を重ねた果てに、「万葉集」を「国民の歌集」として発明した過程が説明されている。著者の品田氏によれば、国文学研究ではこのようなアプローチは少なかったという。文章も出来る限りわかりやすく書かれており、自らを開拓者に擬する彼の意気込みが伝わってくるようだ。したがって文化研究に多少詳しい者がこの本を「よくある国民国家論の一パターン」との評価で片づけるのはやや酷だろうし、少なくとも私には充分にスリリングで、面白い本だった。内容としては既に『創造された古典』にも発表した論文に基づいており、そちらも併せて読むとなお理解が深まるのではないかと思う。

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万葉集の発明―国民国家と文化装置としての古典

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新曜社から発売された品田 悦一の万葉集の発明―国民国家と文化装置としての古典(JAN:9784788507463)の感想と評価
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