上代支那正楽考―孔子の音楽論 (東洋文庫) の感想
参照データ
タイトル | 上代支那正楽考―孔子の音楽論 (東洋文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 江 文也 |
販売元 | 平凡社 |
JANコード | 9784582807745 |
カテゴリ | 哲学・思想 » 東洋思想 » 中国 » 孔子 |
購入者の感想
江文也の名前は侯孝賢監督「珈琲時光」という映画で初めて知った。『上代支那正楽考』なんて仰々しいタイトルだが、文体は躍動的で生き生きとしている。中国の伝統文化を音楽の素材として掘り起こそうという意図があったのだろうが、いわゆる堅苦しい「儒学者」というイメージではなく、音楽家としての孔子の姿を彼自身の視点から共感を込めて描き出そうとしているところがおもしろい。本書に付された解説論文、片山杜秀「江文也とその新たな文脈──1945年までを中心に」は、とりわけアレクサンドル・チェレプニンとの関わりに注目して江文也の音楽性を捉えるところが非常に興味深い。