美雪晴れ―みをつくし料理帖 (時代小説文庫) の感想

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参照データ

タイトル美雪晴れ―みをつくし料理帖 (時代小説文庫)
発売日2014-02-15
製作者高田 郁
販売元角川春樹事務所
JANコード9784758438049
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » 歴史・時代小説

購入者の感想

今回も一筋縄ではいかない出来事があるけども、今までが辛すぎたので気にならない程度です。ちょっと順調すぎるくらい順調なペースで、ハッピーエンドに向かってて、嬉しい!

そして巻末の番外編に数馬様が登場して、さらに思いがけず『銀二貫』と『みおつくし料理帖』との接点が書かれており、短い話だけどワクワクしました♪ いい人達がいろんなところでさりげなくつながっている、高田郁さんの世界、最高です!現実の世界もかくあれかし。

又次を喪い身を切られるような想いを耐え忍んできたつる家に、春の雪解けを思わせる慶事が舞い込む。
一方でつる家を巣立つ澪の為に、店では着々とその準備が進められていく。
その思いに応えるように、ついに澪は幼馴染み・野江の身請銭を稼ぐべく動き始める・・。
前巻から感じさせる早春の淡い日差しのような光が、もっともっと強くなって登場人物たちをあたたかく包み込んでくれますように・・そう祈りながら読まずにはいられないシリーズ最新刊。

いつ読んでも、何度読んでも心が洗われてほっこりしてくる大好きなシリーズ。
つる家を訪れる常客のように、美味しそうな料理や食べている人たちの幸せそうな顔を想像すると、思わずにっこりしてしまいます。
これを読んでいると、この時代の人たちは、四季の移ろいを感じ取りながらそれを生活に活かし、日々の生活に些細な幸せを見出し、何かあれば皆で寄り添い支え合いながら乗り越えようとする、慎ましさと逞しさでもって激動の時代を生き抜いてきたのだなーと感じます。

さて、ゆっくりだけど着実に物語は進んでいきます。
周囲の様々な人たちの厚意を胸に、『鼈甲珠』で野江の身請銭を稼ぐ算段を一心に考え抜く澪。
その一方で、己の料理人としての行く末を思います。
小松原との恋が終わったとき、いくら澪自身が望んだ道だとはいえ読んでいるこちらも苦しくて苦しくて・・いっそのこと「芳と同じように後妻でも構わないから澪をもらってくれ!」と思っていましたが、
自身でも気付かぬ道筋をいつも示してくれるのは源斉だということに、今回澪は初めて気付きます。
これは・・ひょっとして・・?

一柳へと嫁していく芳を見送るつる家の面々の胸の内、芳の夫であり一柳店主・柳吾の澪への思い、つる家の店主・種市の親心、摂津屋の思惑、動き出す野江奪還作戦、澪の思い描く料理人像、佐兵衛の料理人復帰への道程・・クライマックスにふさわしい具沢山っぷりです。
まだまだ堪能せねば。

特別収録の『富士日和』では、久しぶりに登場した小松原が、人を介して“澪の料理”と“再会”する場面が描かれています。

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