マーラーを識る の感想

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参照データ

タイトルマーラーを識る
発売日販売日未定
製作者前島良雄
販売元アルファベータ
JANコード9784871983136
カテゴリエンターテイメント » 音楽 » クラシック » 19世紀以後

購入者の感想

近年、従来からの(主にアルマの著作を元にしていた)マーラー像は変化をみせているが、前島氏の前著「マーラー 輝かしい日々と断ち切られた未来」はそのマイルストーンと言えるものであり、どれだけ間違ったマーラーのイメージが流布しているのか、詳細に指摘されており、まさにすべての人に読んでほしい本と思った。
今回の著作は、作品の解説に的を絞ったものということだったが、前作に付け加えるものがあるのだろうか、というのが買う前の不安であった。
しかし、それは全く杞憂だった。
個々の作品ごとになっていることによって、交響曲と大地の歌(この曲が交響曲でないことは前作でも特に重要な指摘である)についてより深い理解を持てる。そしてなにより、いかに現在一般に出回っている曲の解説がいい加減なものかわかる。
たとえば、第7交響曲について日本では一般的になっている「夜の歌」という副題が、レコード会社が売るためにかってにつけたもので、マーラー自身のあずかり知らぬものであるという指摘は前作でもあったが、この本では、具体的にレコード・ジャケットの写真まで並べて詳細になっている。
第1交響曲は、恥ずかしながら私はこの本を読むまで交響詩「巨人」が改作されて交響曲になったと思っていたが、全く違うことがわかりやすく指摘されている。それだけでなく、この「巨人」という標題を一旦つけながら外した理由をさぐりながら、マーラー自身の交響曲の標題への考え方の変遷も示してくれるのである。
今回の本もまた音楽ファン必読である。

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