永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編 (光文社古典新訳文庫) の感想
参照データ
タイトル | 永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編 (光文社古典新訳文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | カント |
販売元 | 光文社 |
JANコード | 9784334751081 |
カテゴリ | 人文・思想 » 哲学・思想 » 西洋思想 » 西洋哲学入門 |
購入者の感想
本書冒頭の「啓蒙とは何か」はシビれる論文です。
「啓蒙とは何か。それは人間が、みずから招いた未成年の状態から抜けでることだ」
と始まるこの論文は、たった17ページしかない、222年も前に書かれた古いものです。しかし、私はこれを読んで身体が震えました。ここには、私が今の暮らしで直面している苦悩や、私たちの世界が陥っている混乱に対する、真摯な応援の言葉があったからです。考えろ、そして発言しろ。それが世界を変えてゆく、と私たちを勇気づけてくれる言葉が。
こうした本を人は「名著」と呼びます。しかし名著ってなんでしょうか? どんな本だって書かれてすぐ名著になったわけじゃない。多くの他人に読まれて、その本について人々が語り、さらに長い間読み継がれてはじめて「本」は「名著」になります。
しかし、現代の私たちは、名著の題名は知っているけれど、それを手に取り読むことは非常に少ない。誰にも読まれない本が名著と呼ばれるのはヘンですよね。
このシリーズは、名著の埃を払い、ちゃんと読める訳になっています。現に、私には222年前の論文がビンビン心に響いた。当時のプロイセンの読者が感じた衝撃も、きっとこんなだったのではないだろうか。
「自分の頭で考えろ」「服従しろ。しかし、学者としての自由な発言は誰も妨げることはできない。発言しろ」とカントは繰り返し言います。私たちは誰もが誰かに服従し、苦しい人生を送っています。しかし発言の自由がある。まるでカントは今日のWeb2.0の世界を予見していたかのようです。そしてテロと戦争が吹き荒れる無理解も、すでにカントは指摘していました。
この素敵なカントの言葉を、多くの人に読んでもらいたいと思うのです。本は、誰かに読まれて初めて名著になる。カントの本を名著にするのは、ほかでもない私たちです。「啓蒙とは何か」は222年前の9月末日のプロイセンで脱稿されました。しかし、まるで昨日、私のすぐそばで書かれたかのような熱さを持っています。
「啓蒙とは何か。それは人間が、みずから招いた未成年の状態から抜けでることだ」
と始まるこの論文は、たった17ページしかない、222年も前に書かれた古いものです。しかし、私はこれを読んで身体が震えました。ここには、私が今の暮らしで直面している苦悩や、私たちの世界が陥っている混乱に対する、真摯な応援の言葉があったからです。考えろ、そして発言しろ。それが世界を変えてゆく、と私たちを勇気づけてくれる言葉が。
こうした本を人は「名著」と呼びます。しかし名著ってなんでしょうか? どんな本だって書かれてすぐ名著になったわけじゃない。多くの他人に読まれて、その本について人々が語り、さらに長い間読み継がれてはじめて「本」は「名著」になります。
しかし、現代の私たちは、名著の題名は知っているけれど、それを手に取り読むことは非常に少ない。誰にも読まれない本が名著と呼ばれるのはヘンですよね。
このシリーズは、名著の埃を払い、ちゃんと読める訳になっています。現に、私には222年前の論文がビンビン心に響いた。当時のプロイセンの読者が感じた衝撃も、きっとこんなだったのではないだろうか。
「自分の頭で考えろ」「服従しろ。しかし、学者としての自由な発言は誰も妨げることはできない。発言しろ」とカントは繰り返し言います。私たちは誰もが誰かに服従し、苦しい人生を送っています。しかし発言の自由がある。まるでカントは今日のWeb2.0の世界を予見していたかのようです。そしてテロと戦争が吹き荒れる無理解も、すでにカントは指摘していました。
この素敵なカントの言葉を、多くの人に読んでもらいたいと思うのです。本は、誰かに読まれて初めて名著になる。カントの本を名著にするのは、ほかでもない私たちです。「啓蒙とは何か」は222年前の9月末日のプロイセンで脱稿されました。しかし、まるで昨日、私のすぐそばで書かれたかのような熱さを持っています。