アメリカ音楽史 ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで (講談社選書メチエ) の感想

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参照データ

タイトルアメリカ音楽史 ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで (講談社選書メチエ)
発売日販売日未定
製作者大和田 俊之
販売元講談社
JANコード9784062584975
カテゴリエンターテイメント » 音楽 » 音楽理論・音楽論 » 音楽学・音楽教育学

購入者の感想

こういう骨子がしっかりした音楽論文を読みたいとずっと思っていました。

ブルースやジャズ、カントリー、R&B、ロック、ヒップホップなど
19世紀以降にアメリカで発生したさまざまなポピュラー音楽が

原初的で純度が高いレアな「黒人」音楽が
「白人」によって模倣されることにより
毒を抜かれた大衆的なものになり商業的に成功を収める、
といった単純なステレオタイプでは割り切れないことを
豊富な資料文献に基づいて丹念に検証されています。

アメリカ近代の政治や経済、社会、文化が
どのような形でポピュラー音楽に影響を与えてきたのか?
国家の制度やさまざまな社会的権力が
私たちが想像する以上に音楽の歴史を左右していることを
「擬装=他人になりすますこと」をキーワードに
鮮やかに描き出してくれます。

ところでこういった音楽関連の書物を読む際に
自分が知らない楽曲が登場したときに
今はYoutube ですぐに再生して視聴できる時代です。

インターネット技術の進歩や普及が
音楽業界全体に良い影響を及ぼす方向に作用するよう
演奏者やマスコミだけではなく音楽ファンにとっても
何らかの役割を果たせる時代が到来したような気がします。

本書によって、米国を始めとする英語圏における90年代以降に蓄積されてきた popular music を対象にした音楽学や民族音楽学の研究成果がようやく反映されたアメリカ音楽史が手頃なフォーマットで掴めるようになった。本書は日本国内ではかなり衝撃的な受けてめ方をされるであろうと思われるが、いまやアメリカの音楽史学からみれば「最新の定説」とでもいえる論旨が多い。本書はミュージック・ファンが書き、読むような本ではない。そうではなく、音楽と音楽の生産・流通・消費、そして音楽がどのように歴史化されてきたかという総体を政治史的・文化史的な眼差しで捉え直そうとする試みである。こうした視座を前もって了解さえしていれば、スリリングに読めるはずである。そして巻末の文献紹介エッセイだけでも、本書を買うメリットはある。ただ、ゴスペルについてに言及は皆無に均しく、著者もその事を断わっている。その理由は、何よりも、アメリカの宗教事情と黒人表現文化の双方の研究の膨大さに対して著者が安易に手が出せない現実があるからであろう。

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