龍樹 (講談社学術文庫) の感想

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参照データ

タイトル龍樹 (講談社学術文庫)
発売日販売日未定
製作者中村 元
販売元講談社
JANコード9784061595484
カテゴリ人文・思想 » 宗教 » 仏教 » 仏教入門

購入者の感想

 インド大乗仏教が生み出した最初の巨人が龍樹こと「ナーガルジュナ」である。「空」の思想を重視する中観派の代表人物である。龍樹は日本でも「八宗の祖」(八宗とは南都六宗と天台宗、真言宗)とされるばかりでなく、浄土真宗も七高僧の第一に挙げている。したがって、日本仏教を知るためにも、龍樹は避けて通れない人物なのである。
本書は「ナーガルジュナの人生」「ナーガルジュナの思想」「ナーガルジュナの著作」という三部構成。
 
 龍樹の人生というのは神秘的な伝説に包まれていて謎に包まれている。第一部では「龍樹菩薩伝」だけでなく、チベット系の伝記2種類についてもきちんと紹介している。
 第二部の「思想」の部分ではまず龍樹の主な論争の相手として説一切有部に焦点を当て、その考え方を明確にした上で、龍樹の「中論」における空に対する考え方をまさに「縁起」の思想とし位置づけている。論敵が何であるか、論点が何であるかが非常に明快に示されているのが本書の特徴といえよう。
 第三部では「中論」を中心に「大智度論」「十住毘婆沙論」などが紹介されている。
 中村元先生の本は非常に口当たりがいいというか、よくこなれている。これは、非常によくわかっていると言うことと裏腹の関係にあるのではないかと思う。中観関係の本としては、角川ソフィア文庫の「仏教の思想3空の論理」(梶山雄一、上山春平)、立川武蔵「空の思想史」、それからレグルス文庫の「中論」に目を通したが、この中では一番すっきりしている感じがした。
 それにしても龍樹という人は理屈っぽい人だ。少し辟易する。
 

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