弁論術 (岩波文庫) の感想

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参照データ

タイトル弁論術 (岩波文庫)
発売日販売日未定
製作者アリストテレス
販売元岩波書店
JANコード9784003360484
カテゴリ人文・思想 » 哲学・思想 » 西洋思想 » 西洋哲学入門

購入者の感想

紀元前384ー322年に書かれた書物から学べることは、人間は何も変わっていないということ。同じことを繰り返しているのなら、同じように対処できるはず。

弁証法とは「どんな場合でもそのそれぞれについて可能な説得の方法を見つけ出す能力」と表紙に書いてありました。

時代が複雑に見えて、何が美しくて立派なものか分からなくなる時、昔の人の頭の中を覗いてみます。
・美しいものの定義
それ自体望ましいものであって、称賛に値するもの。
・徳
同様に称賛に値するものだから徳も美しい。正義、勇気、節制、鷹揚、度量の大きいこと、気前の良さ、穏和、思慮、知恵など。もし徳が人に益をもたらす能力であるというのであれば、他人にとって最も役に立つ徳が最大の徳である。人々は正義の人や勇気のある人に特に尊敬を払うのである。勇気は戦争において、正義は平和な時に人々に役立つ。

気前の良い人は、金には糸目をつけないし、他の人々が一番欲しがっている金銭を巡って相争うようなことはしないからである。…

小さく薄っぺらい人が多い現代においては、これを読んで自分の血肉にしたら際立って目立ってしまうのではないかと心配する程です。古典の素晴らしさは、時を経ても物事の本質を知ることができ、読み手の理解度によって価値が何十倍にも増し、適宜「日常的に使える知恵の宝庫」ということかもしれません。

 古代ギリシャを代表する思想家による、後世に影響を与えた著作。
「いかに聴衆(他人)を納得させるか」を目標にした、アリストテレスな冷徹な観察、分析が光ります。
他の方のレビューでもある通り、我々とは違った文明圏の2000年以上前の古典ですので、アリストテレスが示すその当時では常識であった実例や、難解な箇所に突き当たる度に巻末の註を読む、ということを繰り替えせねばなりません。
普通の書物を読むのとは違ったある種のコツがいりますが、一度馴れさえすれば著者が指南する実用的な方法論と、訳者の戸塚七郎氏の丁寧で充実した訳註を愉しむことができます。

古典と敬遠せず是非手に取って欲しい書物です。

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