不連続の世界 の感想

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タイトル不連続の世界
発売日2013-12-06
製作者恩田陸
販売元幻冬舎
JANコード登録されていません
カテゴリ »  » ジャンル別 » 文学・評論

購入者の感想

「不連続」をテーマとした全5編の短編小説。

既作「月の裏側」の登場人物の一人である、
塚崎多聞が主人公として活躍するミステリ。
既作を見る必要は全くありません、既作で名前だけ登場した
奥さんも登場しますが、おおそんな名前だったな!
と思うくらいです。

恩田陸の作品で、一人の主人公を置いた連作短編といえば
「象と耳鳴り」を思い浮かべるが、
本作は似た雰囲気ながら、より「月」に近いSF感がある。
5編の中で最も気にいったのは、
聞いた人が死んでしまうという歌を追うミステリ「悪魔を憐れむ歌」なのだが、
この作品は上記「象」の一編「ニューメキシコの月」に非常に通じるものがある。

また本作は日本各地を転々とするが、
「まひるの月を追いかけて」の紀行情景描写、
「ユージニア」のノスタルジーも随所に見られます。
各短編の発表の幅が8年近く空いているだけに、
そういった移り変わりや比較も出来るんだろうと思う。

ここに挙げた既作のどれかでも好きな人なら、
かなり直撃の作品ではないでしょうか。
「象」が大好きな私としては久々のヒットでした。

…ただ、上記に「月」を見てなくても大丈夫とは書いたが、
それは同時に主人公は多聞である必要はあったのかなとも思った。
まあでも…最終章などは「象」の関根多佳雄ではきついかな。

「おまえ、多分『嫌な予感』が他人よりも発達してるんだよ。
無意識のうちに、何かが起こることを予感していて、知らず知らずのうちに身体が反応しているんだ。」本文264ページより

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