Newton (ニュートン) 2013年 09月号 [雑誌] の感想

「私は失読症なので文字を読むことが苦手です。最初に物事を手がけると、他人の書いたものを読まずにすむので、物事を最初に手がけることにしています。学生たちによくいうのです。何かを成しとげるはじめての人になれば、他人の書いた本を読まずに済むってね」（映画「ジュラシック・パーク」の技術監修及び主人公のモデルとなった科学者、ジャック・ホーナー）。

恐竜。しかも、ティラノサウルス。思い出しませんか？子供の頃、怪獣や恐竜の世界にワクワクしたことを。今月のニュートンは、このような最新の恐竜研究の成果をティラノサウルスを中心に紹介していきます。でも、もう、ひと昔前の恐竜の姿ではありません。2012年4月に全身に毛が生えた大型のティラノサウルスの化石が見つかり、この号のイラストに描かれているティラノサウルスは、人工植毛会社のCMに推薦したくなるくらい、毛がふさふさになっています。

恐竜の色も分かるようになってきました。突破口となったのは、なんと、イカの研究。その結果、始祖鳥の羽は白黒だということまで解明されています。最近は、血管や細胞のようなやわらかい組織まで見つかるようになっています。

恐竜研究で画期的な成果を挙げている、冒頭で紹介したジャック・ホーナー氏のインタビューもおススメです。子供の頃から失読症。学校の成績も悪かったそうです。でも、何かを見つけることは好きだった。そんな人が次々重要な新発見をできた理由は、貴重だからと思って誰もやらなかった、思い切って恐竜の化石を割って実際に中を調べてみること。ある意味で、逆転の発想です。

哺乳類も恐竜に負けてはいません。冷凍マンモス「YUKA」。こちらは、リアルな写真がいっぱいです。2013年7月13日から9月16日まで、横浜で展示されています。

マーズ・エクスプレスが捉えた火星の表面の映像は凄いです。30億年前の洪水の跡が見れます。ティラノサウルスの時代よりずっと古いです。また、大陸移動説の解説は、一見ありきたりなようですが、Newtonらしいイラストを駆使した特集で、見事な出来栄えです。