The Immortal Life of Henrietta Lacks (English Edition) の感想

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タイトルThe Immortal Life of Henrietta Lacks (English Edition)
発売日2011-01-07
製作者Rebecca Skloot
販売元Macmillan
JANコード登録されていません
カテゴリ » 洋書 » Subjects » Biographies & Memoirs

購入者の感想

久々に骨のあるドキュメントを読んだ。HeLa(ヒーラ)細胞というのを、ご存知だろうか。私もこの本を読むまでは、さまざまな医薬の研究に使われているヒト由来の細胞だということくらいしか知らなかった。物語は1951年にさかのぼる。子宮頸癌を患ってジョンズ・ホプキンス病院を訪れた若い黒人女性、ヘンリエッタ・ラックスから、無断で採取した子宮頸部の細胞を、研究者ジョージ・ガイ(*)が譲り受け、細胞株の培養に成功した。

ヘンリエッタは、まもなく癌が悪化して死亡するが、彼女の細胞から培養された細胞株は、HeLa細胞と名付けられ不死化した。世界初のヒト由来の細胞株だそうだ。HeLa細胞は、その後人類に大きく貢献する。HeLa細胞からポリオワクチンが開発されたのを皮切りに、細胞生物学、遺伝子研究など様々な分野の研究に使われた。HeLa細胞はスペースシャトルに乗って宇宙にまで行っている。

このドキュメントは、ヘンリエッタの親族への丹念な取材の記録だ。著者のレベッカ・スクルートは、ヘンリエッタの家族を訪ねて、10年余に渡り丹念に取材を続け、彼らがHeLa細胞と向き合い、葛藤し、怒り、悲しみ、そして癒されていく様子を、力強く描いている。

HeLa細胞は当初、研究者たちからの要請に応じて、無料で配布されていた。だが、要請の多さに応じ切れなくなり、ジョージ・ガイの手を離れ、大量生産されるようになる。やがてHeLa細胞は、世界中の研究者に販売されるようになった。多くの研究がなされ、HeLa細胞は科学の発展に大きな貢献をする。

ヘンリエッタの遺族は、長い間このことを知らなかった。ヘンリエッタの死から20年以上たって、HeLa細胞のドナー情報が広まり、いろんな人達が遺族に接触しはじめる。テレビやメディアの取材もあれば、詐欺師まがいの怪しげな人物もあった。一方で、ジョンズ・ホプキンス病院の研究者たちは、遺族の知る権利を無視し続け、彼らはHeLa細胞のことを、何も知らされなかった。

著者のスクルートは、ちょうど遺族が疑心暗鬼に陥っている時期に、取材を開始した。粘り強いアプローチの末、ヘンリエッタの娘デボラの信頼を得た著者は、以来デボラと共に真実を求めて取材を続ける。

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