太陽に何が起きているか (文春新書) の感想

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タイトル太陽に何が起きているか (文春新書)
発売日販売日未定
製作者常田 佐久
販売元文藝春秋
JANコード9784166608881
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 宇宙学・天文学 » 一般

購入者の感想

今は百数十年ぶりに黒点数が少なくなっている。11年周期だった極大期と極小期の周期も長くなっている。それ以外にも、太陽の活動低下を示す現象が次々見つかっているという。また、太陽の活動が低下すると、太陽風が弱くなり星間物質を跳ね返す力が弱まるので、宇宙線も強くなるという。観測衛星「ひので」の最新データなどから、太陽研究の今と地球への影響を説明した本。著者は国立天文台教授でJAXAひのでプロジェクトマネージャー。

黒点ができる仕組みや、磁場との関係を中心に太陽の構造を説明。さらに、黒点付近のジェットの撮影、短寿命水平磁場、アルベーン波の発見、極域における黒点磁場の強さに匹敵する磁場点在の発見、予想より1年早くS極だった北極の磁場がゼロに近づいていることの発見等、X線・紫外線・可視光の3つを総合的に組み合わせて観測する「ひので」の成果を次々紹介している。

地球の気温は、太陽から届く放射エネルギー、地球自身が放射するエネルギー、温室効果ガスの3つで決まると説明した上で、「20世紀後半の気温上昇が温室効果ガスによるものだったとしても、今見えつつある太陽活動の異変が、温暖化を抑制したり、極端な場合、寒冷化をもたらす可能性もゼロとは言えません」と述べている。そして、太陽活動による地球の気温への影響説明する説として、以下の3つの解説を行っている。
・太陽の明るさ説
・紫外線説
・宇宙線説

著者が今に到るまでの研究キャリアや、アメリカとの共同研究のエピソードも語っている。また、理論上の35億年前の太陽の明るさは現在の75%なので地球は凍りついていたことになるが実際はそうではなかったという「暗く若い太陽のパラドックス」に対して、太陽は実は明るかったという説を展開しているところもある。BlueBacksのお株を奪うような、科学の最新研究の成果を広く一般に紹介している本である。

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文藝春秋から発売された常田 佐久の太陽に何が起きているか (文春新書)(JAN:9784166608881)の感想と評価
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