樅ノ木は残った (中) (新潮文庫) の感想
参照データ
タイトル | 樅ノ木は残った (中) (新潮文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 山本 周五郎 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784101134659 |
カテゴリ | 文学・評論 » 文学賞受賞作家 » 直木賞 » 1-25回 |
購入者の感想
なぜ山本周五郎の作品は新しさを失わないんだろう?物語は江戸時代初期の「伊達騒動」を題材にしているのにもかかわらず、その登場人物には深く感動を与えられるし、共感も得られる。
それは山本周五郎と言う人が人間の深い真実と言うものを感覚的に捕らえていたからなのではないだろうか?
「一人で生きる」ということを自分に課せられた使命のために厳しく自身を戒める主人公の原田甲斐は現代においても尊敬できる人物である。その生き方に深い感動を感じずにはいられない。
そして、唯一心を通わせた宇乃、そして自然(くびじろ、鯉、樅の木)にはその存在が極めて大きい。ことにラストは圧巻である。故郷から移植した樅の木はたった一本でその地に根を張っている。甲斐は自らをそこに投影し、宇乃にそれを託したのではないだろうか?原田甲斐の悲しさと強さが強く出ていて素晴らしい締めくくりとなっています。
この作品は登場人物が多かったり、江戸時代の役職名などが重要になってきたりして、なかなか読みづらいところもあるだろうけど、傑作であることは間違いようがありません。
それは山本周五郎と言う人が人間の深い真実と言うものを感覚的に捕らえていたからなのではないだろうか?
「一人で生きる」ということを自分に課せられた使命のために厳しく自身を戒める主人公の原田甲斐は現代においても尊敬できる人物である。その生き方に深い感動を感じずにはいられない。
そして、唯一心を通わせた宇乃、そして自然(くびじろ、鯉、樅の木)にはその存在が極めて大きい。ことにラストは圧巻である。故郷から移植した樅の木はたった一本でその地に根を張っている。甲斐は自らをそこに投影し、宇乃にそれを託したのではないだろうか?原田甲斐の悲しさと強さが強く出ていて素晴らしい締めくくりとなっています。
この作品は登場人物が多かったり、江戸時代の役職名などが重要になってきたりして、なかなか読みづらいところもあるだろうけど、傑作であることは間違いようがありません。