イスラム教入門 (岩波新書) の感想
参照データ
タイトル | イスラム教入門 (岩波新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 中村 広治郎 |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784004305385 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 宗教 » 宗教入門 |
購入者の感想
「入門書」となっているがイスラームを全く知らない人には詳しすぎる内容なので、もう少し易しい本を先に読んだ方が良いと思う(講談社現代新書『イスラームとは何か?』や岩波文庫『イスラーム文化―その根柢にあるもの』など)。本書ではまずこの宗教の日本での呼称(イスラム教、マホメット教、回教)が吟味される。そして世界各地に広がるありさまや日本人との関わりに触れてから、この宗教の成立の歴史、『コーラン』による信仰の内容、実践としての礼拝作法、イスラーム法等について解説する。そして分派については、よく知られるスンニー派やシーア派だけでなく、ハワーリジュ派、ドゥルーズ派、ヌサイリー派、アフマディー派にまで筆が及ぶ。イスラーム密教と言えるスーフィズムの解説は、著者のもっとも得意とするものである。現代の人々を瞠目させているイスラーム復興の潮流、原理主義にも触れ、中級者向けのこの詳細な概説書は締めくくられている。