いのちなりけり (文春文庫) の感想
参照データ
タイトル | いのちなりけり (文春文庫) |
発売日 | 2011-02-10 |
製作者 | 葉室 麟 |
販売元 | 文藝春秋 |
JANコード | 9784167781026 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 文学・評論 » 歴史・時代小説 |
購入者の感想
大変な剣の達人でありながら、できるだけ人を斬らずにすませたいひょうひょうとした武士・蔵人。
彼が、少年の頃からひそかに恋していた咲弥の入り婿になったのちに歩む、波乱万丈の人生を描いた作品。
武士道を描いた『葉隠』の前日譚になっているところが面白い。
水戸光圀と将軍綱吉を中心に実在の人物を多数からませて、権謀術数のまっただなかで自分なりの武士の美学を貫き、なにより恋をつらぬく蔵人の姿がとても爽快な作品である。
葉室麟氏の本は、ハラハラがあっても悲劇ばかりでは終わらないのが安心して読める理由だ。
漢詩、和歌両方に通じている作者のようで、この作品でも無骨な蔵人が、咲弥に贈る和歌を捜し求める姿が背景に描かれている。
武士が後世に残せるものは「心」だけ、和歌はその「心」を伝えるものであると蔵人が悟るところがとてもよかった。
彼が、少年の頃からひそかに恋していた咲弥の入り婿になったのちに歩む、波乱万丈の人生を描いた作品。
武士道を描いた『葉隠』の前日譚になっているところが面白い。
水戸光圀と将軍綱吉を中心に実在の人物を多数からませて、権謀術数のまっただなかで自分なりの武士の美学を貫き、なにより恋をつらぬく蔵人の姿がとても爽快な作品である。
葉室麟氏の本は、ハラハラがあっても悲劇ばかりでは終わらないのが安心して読める理由だ。
漢詩、和歌両方に通じている作者のようで、この作品でも無骨な蔵人が、咲弥に贈る和歌を捜し求める姿が背景に描かれている。
武士が後世に残せるものは「心」だけ、和歌はその「心」を伝えるものであると蔵人が悟るところがとてもよかった。