<おんな>の思想 私たちは、あなたを忘れない の感想
参照データ
タイトル | <おんな>の思想 私たちは、あなたを忘れない |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 上野 千鶴子 |
販売元 | 集英社インターナショナル |
JANコード | 9784797672510 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 文学・評論 » エッセー・随筆 |
購入者の感想
この本の、ザイードの章によると「東洋(オリエント)」とは「西洋」という視点からみた虚構である」といいます。そしてその「西洋」を「男性」オリエントを「女性」と置き換えたときに、とてもはっきりと見えてくるもの。それは、男性がいかに「女性」を自らの存在を脅かさない「弱い」存在として都合の良い定義のなかに押し込めてきたか、さらにその「男性」優位の視点によって「歴史」を編み、さらには「学問」を構築してきたか、ということです。この本を読んでいくうち、頭のなかでうすぼんやりとわかっていたことが、次々と、小気味よいほどに整理され、雲がはれるようにはっきりとしはじめました。「フェミニズム」はぜんぜん賞味期限なんかきていないと思うし、さらに言うなら、この本をもってやっと出発点にたどり着いたようなものだと思います。フェミニズムが、この先、男もすなる「歴史」「学問」とどう関係し、どう発展し、どう渡り合っていけばいいのか、どうしたらこの先のわたしたちが「男性」視点ではない「人類」の歴史を編み始めることができるのか。その道のりを上野先生はしっかりと先達として歩いてくださっています。人類必読の書!