夏の朝の成層圏 (中公文庫) の感想
参照データ
タイトル | 夏の朝の成層圏 (中公文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 池澤 夏樹 |
販売元 | 中央公論社 |
JANコード | 9784122017122 |
カテゴリ | 文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » あ行の著者 |
購入者の感想
深夜、誤って船から転落し、太平洋に浮かぶ環礁の小さな無人島に漂着した主人公。人間社会で何らかの役割を果たしていた自分が、地球上の単なるひとつの生命でしかないことを実感しながら、ゆっくりと島になじんでゆく。あれこれと工夫しながら、自分が島と折り合いをつけて生きていくやり方を身につける。社会から、時間から、工業製品から解放されてゆく。
知恵を身につけ、安らかに生きることを放棄し、文明と呼ばれるものを築き上げてきた現代の人類が、人類以外の地球――宇宙――この世界と完全に同化することはできるのだろうか?人類と世界とのあいだを揺れ動きながら真摯に生きる姿は、なにかやさしく厳しく大きなるものにつつまれながらも、やはり孤独である。
知恵を身につけ、安らかに生きることを放棄し、文明と呼ばれるものを築き上げてきた現代の人類が、人類以外の地球――宇宙――この世界と完全に同化することはできるのだろうか?人類と世界とのあいだを揺れ動きながら真摯に生きる姿は、なにかやさしく厳しく大きなるものにつつまれながらも、やはり孤独である。