日米衝突の萌芽 1898-1918 の感想

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参照データ

タイトル日米衝突の萌芽 1898-1918
発売日販売日未定
製作者渡辺 惣樹
販売元草思社
JANコード9784794219862
カテゴリ歴史・地理 » 日本史 » 一般 » 日本史一般

購入者の感想

図書館で借りて読みました。結局買いました。
もちろん、前作「日米衝突の根源1858-1908」も買いました。
膨大な資料から緻密に事実を積み上げ、理論構成してあり、学術論文に近い内容です。
でも、読んでてとても面白い。
歴史とはあったこと(事実)の連綿とした積み重ねであるけれど、表には出てこないことがたくさんある。埋もれてしまった事実、意図的に隠された事実、ニセの事実(fake)。そしてそれらの“解釈”。
教科書や教科書的な歴史書では学べないことを、知ることができます。
内容は重いのですが、なぜか著者と同じ視点で楽しくわくわくした感じで読む進むことができます。
おススメです。

この本の前編に当たる日米衝突の根源には、日本の開国時には、英国の関税自主権を日本に持たせない政策に対して、日本を擁護した保護主義の米国が、日露戦争中の1904年に、コロンビア川の太平洋岸の河口北岸に、太平洋(日本)に砲口を向けた大砲の列、コロンビア要塞を築造し、次第に、日本を神経質にも敵対視して行く様子が記載されている。

著者は、本書では、ルーズベルトの残したクリスタル細工のような脆く、そしてすわりの悪い日米関係が、支那びいきのタフトと、強烈な人種差別意識を持つウィルソンの二人の大統領の時代に、崩れていくさまを描いているという。この二人の大統領が日本を無造作に扱ったのを、もう一度丁寧に扱うように変化させたのは、日本の協力を必要とした米国が参戦した後(1917年4月6日)の第一次世界大戦であったが、この時には、日本の政治家も軍人も知識人も、米国に対して言いようのない不気味さを感じていた。米国がハワイとフィリピンを領有(1898年)してから、第一次大戦終結(1918年11月11日)までの僅か20年間に生起した事件の連鎖を、米国に視座をおいて紐解くと、そこには、米国が実像に程遠い虚像の日本に対する外交を展開し、1941年12月8日の日米衝突に至る萌芽が見えてくるという。

初めに、日米衝突の前提として、欧米の世界侵略を歴史を理解しておく必要がある。15世紀始めからのポルトガルとスペインによる大航海時代、1492年コンブスのバハマ諸島到達、1520年マゼランが南米マゼラン海峡を通過し、初めて大西洋から太平洋に至る航路を発見し、1521年にフィリピンに至った。これにより、南北米大陸、太平洋はスペインの領有となる。その後の350年の間に、1585年イギリスの北米入植、1776年米国独立を経て、米国のダーウィン進化論による白人優性の人種差別に基づく神から付託された文明化「明白なる宿命」の下、原住民を排斥して西漸を果たし、1846年の米墨戦争を経て太平洋岸まで領土拡張を実現した。その後、1898年、米国は太平洋の要塞を目的にハワイを併合し、同年の米西戦争によりフィリピンを領有した。この時、日本はハワイの米国併合に抵抗し、フィリピンの民族独立を支援するという動きもあった。

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