昔話はなぜ、お爺さんとお婆さんが主役なのか の感想

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参照データ

タイトル昔話はなぜ、お爺さんとお婆さんが主役なのか
発売日販売日未定
製作者大塚ひかり
販売元草思社
JANコード9784794221179
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » エッセー・随筆

購入者の感想

本当だ! なんで昔話はお爺さんとお婆さんが主役なのか?
タイトルを見て初めて気づくこの不思議、そして違和感。
あまりに体に入りこんでしまってるゆえに思考停止してたけど、昔話は、ちょっと考えてみれば変なところ満載だった。

桃太郎。元ネタを知り納得。
ゆえに「川から桃」の素っ頓狂さに改めて気づく。

浦島太郎。四十の独身男なのか……。

個人的に心に刻まれたエピソードは、姥捨て山のバージョンのひとつで、
「捨てられたおばあさんが、股をおっぴろげて、そのモノを見せて鬼子を撃退。
そこから幸せをつかむ」
っていう何をどうツッコんでいいのか、なお話。
こんなんがザックザックあります。まず物語集として面白い。

また、常識が、思い込みが、覆った。
えっ? 昔のおじいさん、おばあさんは子なしがほとんど? 
それどころか独身ばっかり? 
まさか結婚が「平々凡々でフツーな暮らし」のことではなく、なかなか手に入らない憧れのものだなんて。
かと思えば、老人が詐欺のカモにされるお話や、また延命医療の議論が昔もなされていたことなどから、ニンゲン、今も昔も変わらないなぁ、と思ったり。

感情も大いに揺さぶられた。
のんきに見えた昔話のおじいさん、おばあさんたちに、「そうなのね、そんなご事情がおありにねぇ……」と切なく思ったり、「『昔』は本当にひどいなぁ」となったり。
それよりもやはり、見苦しくも悲しい話の行間から、迫りくる老いについて、あれこれ考えさせられ、これからどうしていいのやら、という暗澹たる思いに陥った。
老いは万人に等しく来る問題でまったく他人事ではないのだ、は〜〜。

と暗くもなってたら、しめが「かっこいい老人たちの活躍」! 
最後のこの御人たちに希望の光を見てフワッと気持ちが上がった。
北斎のように、死の手前まで謙虚さと向上心をともなった言葉を言えたら、どんなにかっこいいだろうか。
それもあの才にして。

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