新版 古今和歌集 現代語訳付き (角川ソフィア文庫) の感想

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タイトル新版 古今和歌集 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)
発売日販売日未定
販売元角川学芸出版
JANコード9784044001056
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » 古典

購入者の感想

また一つ「古今集」の素晴らしい文庫本が出た、という印象。体裁は、同じシリーズの「新古今和歌集上・下」(久保田淳著)と全く同じ。見開き偶数ページに本文、奇数ページに三段組みの細かい字で、実に詳細極まる注釈と口語訳、さらに簡潔なコメント付き。これは「岩波大系本」や「小学館新編全集本」「新潮古典集成本」に負けず劣らずの丁寧親切振りで、ハンデイな文庫本にしてはお節介に過ぎるというか、これでもか、これでどうだと煩わしいくらい…デコレーション・ケーキ型とでも言いましょうか。巻末には「古今集」の成立史、特色などの解説、作者略伝・索引、初句四句索引など至れり尽くせり。見逃す手はありますまい。一首ごとの注釈にかなりのスペースを割いているので、他の文庫諸本の二倍ほどの厚さになっています。
ところで、小生は文庫本としては永年「窪田章一郎の角川文庫本」を愛読して来ましたが、たまには、本文だけで素っ気ない位の「岩波文庫本」も良いものだとこのデコレーション型の新版を読んで感じたものです。
それにしても「古今集」は良いですね。小生、20,30代の若い頃は圧倒的に「新古今」に傾倒し、「古今集」など、どこが面白いのかと思ってていましたが、40代後半以降、「新古今」の虚構性や幽玄体の嘘っぽさがやたら鼻に着き、今では他愛ないくらい技巧的、抒情的な「古今集」に埋没しています。紀貫之「袖ひちてむすびし水のこほれるを春立つけふの風やとくらむ」や藤原敏行「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかねぬる」など「新古今」の作り話的いやらしさは全くなく実に素直にすっきり心に浸透してきます。正岡子規がなんと酷評しようとも、いいものはいいのです。

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