HEY!BROTHER の感想

３MC＆１DJ。ビースティなスタイルのアイドルグループ、待望の初音源。
「Hey! Brother」を「ねー！ おにいちゃん」と訳すセンス、骨太ドラムやファンキーなギターのカッティングが押し出すビート、アイドルラップでは有り得ない長さで引っ張るラップのヴァース、などなどヒップホップマナーに忠実かつ巧みな手さばきに耳を奪われます。

しかし、やはり、ライムベリーの核となるのは、ほとんどやけっぱち、捨て鉢なまでのテンション、前のめり感。引かない、緩めない、焦らさない。そのままの気持ちを全力投球でぶつけることの正しさを疑わない姿は、まさに女子中学生。かつて、どんなクラスにもひとりやふたりはいた、魅力的だけど、同級生男子には扱いきれないタイプの女子。高校、大学、社会人になって、いつのまにか居なくなってしまった、ああいうタイプの女子。そんな彼女たちのまぶしさがこのシングルには詰まっている。３曲目「Ich liebe dich」でも、ライムベリーではクールなDJ Hikaruによるポエトリーリーディングのたどたどしさの中に、表現への必死さを感じる。自慢されたい女子中学生の輝きが全部ある。

まだまだ成長途上でどう展開するか分からないグループですが、このシングルの素晴らしさだけで、名を残すに足るグループとなりました。オススメです。