ツタンカーメン発掘記〈上〉 (ちくま学芸文庫) の感想

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参照データ

タイトルツタンカーメン発掘記〈上〉 (ちくま学芸文庫)
発売日販売日未定
製作者ハワード カーター
販売元筑摩書房
JANコード9784480085931
カテゴリノンフィクション » 歴史・地理・旅行記 » 歴史 » 東洋史

購入者の感想

ツタンカーメン墓の発掘をしたハワード=カーター自身による本であり、
発掘と同時進行で書かれたものです。その臨場感は比類無く、第一次資料といってもいいものでしょう。孫引きの本には求めえない要素に満ちた本の翻訳には感謝したいと思います。
文庫で、従来省略されていたカーナボン卿の姉の筆になる「故ロード=カーナボンの伝記的な素描」が追加されましたこの(上)に入っています。これが面白い。坂田靖子の漫画を思わせるような「変わった英国人」の肖像であり、いままで翻訳されなかったのが不思議なくらいです。最後に詩がついているのもいかにもイギリス的です。
第1章「王と王妃」の末にツタンカーメンの未亡人の計略がヒッタイトの都(トルコ中央部)からでた文書をもとに紹介されています。未亡人は、ヒッタイト王の王子と結婚しエジプト王位を提供しようと手紙を送りました。この計略は失敗したらしく、重臣アイが次のエジプト王となったようです。ツタンカーメン逝去直後に起こったこの陰謀はとても想像力をかきたてるものがあります。このエピソードで「碑板」と翻訳されている言葉は「粘土板」と訳したほうがいいでしょう。概して達意の訳で読み易い文章で、ありがたいのですが、ときどき不適切な訳語があります。
私はツタンカーメンの墓は「盗掘されていない」と思っていたのですが、この本を読むと、埋葬後あまり経たない時代に2度侵入されていますが、ひどく盗まれたれたわけではない、というところのようです。少なくとも奥の部屋は無事だったようです。その後厳重に封印され、偶然そのうえに作業小屋などが建てられたためか、3000年以上乱されなかったということらしい。したがって手前の2部屋はかなり乱されています。

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