月と六ペンス (岩波文庫) の感想

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参照データ

タイトル月と六ペンス (岩波文庫)
発売日販売日未定
製作者モーム
販売元岩波書店
JANコード9784003225424
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 英米文学

購入者の感想

十代の大学生の頃読んだ記憶があるが、中身はなんとなくしか覚えていなかった。

月も六ペンス硬貨も形は同じ丸。
月は空の彼方に浮かび、日ごろ見ることはできても決して手の届かないもの。
六ペンスは財布の中にもあるし、道路の上にも落ちていたりするありふれた硬貨。(12進法廃止により1967年以降は発行されていないので、現在では希少といえば希少なのだが)
上だけを向いて月を目指すのか?地上をしっかり見据えて六ペンスを稼ぐ(拾う)のか?
バランスが肝心だと言ってしまうことに間違いはないし、後悔しないためには大切でもあろうが。
人としての成功や評価とは?それをいつ感じるのが理想なのか?(生前にもとめるのか?死後でもかまわないのか?)
生ききったと思える人生とはどのような人生なのか?

主人公ストリックランドは少なくとも一点の後悔もなく人生を終えることができたであろう。
他者から見れば救いようのないと思われる人生は、本人にとっては「Life is beautiful!!」といえるものであったのだと。

平均余命までの人生の半分を超えたあたりで読むこの作品の読後感は、老いることなど想像もつかなかった頃のものとは明らかに異なる。
人生の永遠のテーマであるだけに、10年おきくらいに定期的に読むと面白いのではなかろうか?

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