実践 日本人の英語 (岩波新書) の感想

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参照データ

タイトル実践 日本人の英語 (岩波新書)
発売日販売日未定
製作者マーク・ピーターセン
販売元岩波書店
JANコード9784004314202
カテゴリジャンル別 » 語学・辞事典・年鑑 » 英語 » 英文法・語法

購入者の感想

この本は、英語圏出身で現在日本で大学教授をしている著者が、日本語と英語の感覚(・論理)の違いを英作文を用いて解説しているものです。
今までの日本の英語教育で育まれた、通常の日本人の英語に対する感覚と英語圏の人のそれには違いがあり、どのようにすると間違いのない、洗練された大人の英語になるかが、詳しく説明されています。

例えば、
● my などの所有格を用いると、その人が所有している唯一の(=全ての)ものを表すことになることが極めて多い。(theも同様)
● 過去の時点に起きたことでも、その影響や意味が現在までも続いている場合は、現在完了形を使ったほうが正確な表現になる。
● 肯定文に登場する would と could は原則的に仮定法過去として使われる。ただし、過去を示す表現がある場合は will と can の過去形となる。
● because は原因や理由を新たな情報として持ち出すときに使い、since は聞き手[読み手]がもう既にわかっているだろうと思われることを前提として原因や理由を持ち出すときに使う。
● these days は語感として「この頃」や「最近」というよりも「今どき」に近い。よって、「この頃」や「最近」と言いたいときは these days よりも recently や lately, today, at present, now などを使ったほうが「大人の文章」になる。
(日本人が書いた英作文の参考書の多くにおいて「最近」という意味で these days を用いることを推奨しているが、著者は長い人生で一度も使ったことがなく、常に these days を使うのは日本人だけであるとまで言っていることはには驚かされる。
ここで気になる点がひとつ、 these days, recently, lately, today, at present, now がそれぞれどの時制で使用できるかということである。私の理解では、these days は普通、現在時制で使用し、recently は普通、現在完了および過去時制で使用し、lately は普通、過去時制で使用するとされている。これが正しいとすると、these days

25年前に世に出た名著、「日本人の英語」の実践編登場である。長年、学生の指導や学者の論文の添削を行ってきた経験から、日本人が英文を書くときによくやる誤りを取り上げて、自然な英文を書くヒントを示している。結論から書くと、この本もとても良い。

日本語における「の」をどう表現するか。a, the, myの意味の違い。仮定法。expect, search, just, so, because, as, almost, As a result, and so on, these days。「オンリーワン」のワナ。I thinkの使い方。文章のつなぎ方をどうするか。同格表現。理屈の流れが通るようにすること。扱っているテーマとしては、前著と重なるところはある。しかし、そのような部分も含めてかなり有益で、あちこち線を引きながら一気に読んだ。本書の指摘にどれもまったく該当しないという日本人の英語使いは少ないだろう。「はじめに」のつかみも上手い。パラグラフ・ライティングのような書式上の話は無い。

尚、著者が日頃大学で指導している実感として、最近の学生は聞き取りと発音については昔より少し良くなっているようだが、英文の読み書きの能力は明らかに落ちてきているという。また、学生か社会人かを問わず、英語はもちろん日本語においても、文章の意味をしっかりつかむ、よく考えて文章を作るということがちゃんとてきているのか不安を感じることが増えているとも述べている。「これは、単に英語で会話ができるかどうかといった、その場その場のコミュニケーション力の問題よりも、ずっと真剣に考えるべき課題だと思う」というメッセージは印象に残った。

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