大学入試センター試験過去問題集物理 2015 (大学入試完全対策シリーズ) の感想

B5サイズのノートと同じ大判です。教学社の赤本A5サイズより大きいのでとても見やすいです。
追試験も2014年は収録されていますので　その点も非常に重要です。

肝心の解説ですが、
駿台本利用者のレベルの高さを考慮したゆえか、あるいはもともとそういう編集方針なのか、少々冷たいです。手取り足取り細かいところまで解説しているわけではなく、最小限のスペースで図も最低限、関連事項にも使用する公式程度にしか触れていないので、重厚な解説を期待すると裏切られます。センター試験の問題は素朴ながら物理現象を深く考えさせる問題も多く、その点を詳しく掘り下げて実はこういう背景である、というところまでは説明してありません。初心者向けに手取足取り解説しなくとも、問題の本質を考えるヒントくらいは載せて欲しいとは思います。

また旧課程物理IIの範囲に入る出題については日本語で解答が誤魔化し気味（物理IIの範囲で正確に答えていない）なのも少し残念。

簡素ながら核心をつく解説ではありますが、そこから先はご自身でしっかり考えてください、ということなのでしょうね。

唯一この本が他と明らかに違うのは「センター2008年に同様の出題があり」「2014年早稲田理工に同様の出題があり」とさりげなく注釈が最後についているところです。でも全ての設問にこれが書かれているわけでもなく、1年につき2題程度しかついていません。