バーボン・ストリート・ブルース (ちくま文庫) の感想
参照データ
タイトル | バーボン・ストリート・ブルース (ちくま文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 高田 渡 |
販売元 | 筑摩書房 |
JANコード | 9784480424303 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 文学・評論 » エッセー・随筆 |
購入者の感想
映画『タカダワタル的ゼロ』が公開されることを記念してか、高田渡さんの語りおろしの自伝が文庫化されました。高田さんの人生が自分の言葉で残されたというのは本当によかったな、と思います。
高田さんの父親は大学出ながら共産党員の日雇い労働者。母親は子どもの頃になくし、東京で極貧生活を送りますが、その中での生活者の明るさみたいなものを感じながら育ちます。中学卒業後、日共の赤旗を印刷するあかつき印刷に就職し、文選工となります。その後、紆余曲折を経てフォークシンガーとして生きていくわけです。改めていいと思ったのは、高田さんの詩に対する考え方と写真。高田さんは『ごあいさつ』あたりから現代詩に曲をつけることが多くなったのですが、それは《現代詩をいろいろ読んでいたなかで、日常の風景を語りながらも静かに問題提起をしているという詩に多く出会ったからだ》《僕は、ほんとうの詩というものは、「最後に出さざるを得ない、厳選された一句」だと思う》ということで《普通の人々の日常を歌った現代詩に魅かれ、それに自分で曲をつけるというやり方をとってきた》というんですな(p.128-)。そして6*6からはじまりニコマートを愛用したモノクロ写真は素晴らしい。貸し暗室で現像までやっていたという腕前は確かです。201頁の玉子屋の写真の光なんかすごい。
高田さんの父親は大学出ながら共産党員の日雇い労働者。母親は子どもの頃になくし、東京で極貧生活を送りますが、その中での生活者の明るさみたいなものを感じながら育ちます。中学卒業後、日共の赤旗を印刷するあかつき印刷に就職し、文選工となります。その後、紆余曲折を経てフォークシンガーとして生きていくわけです。改めていいと思ったのは、高田さんの詩に対する考え方と写真。高田さんは『ごあいさつ』あたりから現代詩に曲をつけることが多くなったのですが、それは《現代詩をいろいろ読んでいたなかで、日常の風景を語りながらも静かに問題提起をしているという詩に多く出会ったからだ》《僕は、ほんとうの詩というものは、「最後に出さざるを得ない、厳選された一句」だと思う》ということで《普通の人々の日常を歌った現代詩に魅かれ、それに自分で曲をつけるというやり方をとってきた》というんですな(p.128-)。そして6*6からはじまりニコマートを愛用したモノクロ写真は素晴らしい。貸し暗室で現像までやっていたという腕前は確かです。201頁の玉子屋の写真の光なんかすごい。