和泉式部日記―現代語訳付き (角川ソフィア文庫) の感想
参照データ
タイトル | 和泉式部日記―現代語訳付き (角川ソフィア文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
販売元 | 角川書店 |
JANコード | 9784043699018 |
カテゴリ | 文学・評論 » エッセー・随筆 » 日記・書簡 » 日本文学 |
購入者の感想
女子大での教科書として使わせていただきました。
和泉式部日記の作品としてのすばらしさはもちろんなのですが、特にこの注釈書は、注釈者の新しい解釈が前面に出ていると思います。またそれが、作品解釈上大きな説得力を持っています。たとえば和泉が最初に敦道親王に贈った「薫る香によそふるよりは不如帰」の歌、従来は「死んだお兄様なんてもういい」と弟親王を誘う歌で彼女の「魔性の女」ぶりが読まれてきたのですが、著者は「生前と変わらぬ声をしているか、死んだ宮様の声をもう一度聞きたい」と、故兄宮への愛執を詠むと解釈します。男性があてがった(と思われる)小悪魔趣味から和泉を解放してくれる、新しい読みの可能性を示していると思います。女子大生達には共感の嵐でした。そのほかも魅力ある新釈や資料が盛られ、利用価値大。
和泉式部日記の作品としてのすばらしさはもちろんなのですが、特にこの注釈書は、注釈者の新しい解釈が前面に出ていると思います。またそれが、作品解釈上大きな説得力を持っています。たとえば和泉が最初に敦道親王に贈った「薫る香によそふるよりは不如帰」の歌、従来は「死んだお兄様なんてもういい」と弟親王を誘う歌で彼女の「魔性の女」ぶりが読まれてきたのですが、著者は「生前と変わらぬ声をしているか、死んだ宮様の声をもう一度聞きたい」と、故兄宮への愛執を詠むと解釈します。男性があてがった(と思われる)小悪魔趣味から和泉を解放してくれる、新しい読みの可能性を示していると思います。女子大生達には共感の嵐でした。そのほかも魅力ある新釈や資料が盛られ、利用価値大。