明るい部屋―写真についての覚書 の感想

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参照データ

タイトル明るい部屋―写真についての覚書
発売日販売日未定
製作者ロラン バルト
販売元みすず書房
JANコード9784622049050
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » エッセー・随筆 » 外国のエッセー・随筆

購入者の感想

あとがきに誤解を招く表現がありますが、翻訳は解りやすく読みやすかったです。
鎮魂歌?どちらかというと般若心経といった感じです。
バルトの『明るい部屋』をロマネスク的に物語化した自伝ではなく、あくまで観念的な表現ですが、バルトの母の写真は「超幻影」、つまり「私現実」にしているのです。
さらにいうと、「明るい部屋」を物語として捉えると母の写真はユートピア的なイメージであり、写真論として捉えるならカメラマンが自己を滅したデストピア的なイメージである。しかしこの2つイメージは、同じ写真なのです。

これは、シンプルなエッセイだと思う。写真を見た時に、何かがひっかかる。その何かを探求するエッセイだと受け取った。面白いのは、途中でそれまでの話を否定し、「前言撤回」するところ。こういう、自分で書いておきながら、まるで他人の文章を扱っているかのように書ける書き手というのは少ない。これを読んだからと言って写真藝術が理解できるわけでも、まして上手く写真が撮れるわけでもないが、読み手に何かを残す本であることは間違いない。その何かとは、バルトが本の中で模索している何かなのだろう。そう考えると、写真論だが、バルト自身の作品についての内省とも読める。

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