スクールセクハラ なぜ教師のわいせつ犯罪は繰り返されるのか の感想
参照データ
タイトル | スクールセクハラ なぜ教師のわいせつ犯罪は繰り返されるのか |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 池谷 孝司 |
販売元 | 幻冬舎 |
JANコード | 9784344026513 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 教育学 » 一般 |
購入者の感想
スクールセクハラは、公然の秘密であり、タブーである。私も20年相談にかかわり、よく聞くことである。だが、本書の様にここまで公に書ききれることは稀である。問題ゆえ、被害者への配慮に限らず、繊細な問題があるからだ。テーマの新しさもそうだが、内容もルポとして一気に読ませるものがある。10年以上の時を掛けて書いたというだけあって、迫真の作品である。
一章では、スクールセクハラという題名を超えた、スクールレイプ被害者と加害者の教員との物語である。著者は被害を受けた女性が教員を呼び出して、過去の事実を確認する場に立ち会う。その被害女性の過去の壮絶な経験は、読んでいてこちらが辛くなるほどだ。女性が教員と向きあうのも事件から8年が経過している。著者のサポートがあったとしても、いかに、声を上げづらい問題かが分かる。真実を丹念に取材したためだろう、当時のこの女性の言語に絶する気持ちも強く伝わってくる感覚に陥るリアリティがあった。
二章では、逆にスクールセクハラを行い、免職になった側の教員の気持ちが、取材から掘り起こされている。被害すら、なかなか表に出てこない現在、強烈に指弾される加害側の気持ちというのは、まず公に現れることはない。筆者は教員が免職になった後も、加害者と人として関わることで、加害側の証言を得ている。これを読むと熱心な教員でも、いや真面目な教員ゆえに、問題を起こす可能性が示唆されている。そうなると、スクールセクハラは、誰にでも起こりえる可能性があるとも言える。以上の二章は、表面的な取材では書けない内容になっていると私の経験からは感じる。著者のテーマへの熱意が感じられる。
また、3章4章と事例とともに、スクールセクハラの起き易い学校のシステムを解説している。部活動、内申書等、教員の持っている権力について詳細な分析と、日本では数少ない支援機関への取材や専門家のコメントもある。現在、スクールセクハラは広く薄く蔓延しているが、秘されている深刻な問題だからこそ、悩んでいる人々にはサポートのヒントになるであろう。
一章では、スクールセクハラという題名を超えた、スクールレイプ被害者と加害者の教員との物語である。著者は被害を受けた女性が教員を呼び出して、過去の事実を確認する場に立ち会う。その被害女性の過去の壮絶な経験は、読んでいてこちらが辛くなるほどだ。女性が教員と向きあうのも事件から8年が経過している。著者のサポートがあったとしても、いかに、声を上げづらい問題かが分かる。真実を丹念に取材したためだろう、当時のこの女性の言語に絶する気持ちも強く伝わってくる感覚に陥るリアリティがあった。
二章では、逆にスクールセクハラを行い、免職になった側の教員の気持ちが、取材から掘り起こされている。被害すら、なかなか表に出てこない現在、強烈に指弾される加害側の気持ちというのは、まず公に現れることはない。筆者は教員が免職になった後も、加害者と人として関わることで、加害側の証言を得ている。これを読むと熱心な教員でも、いや真面目な教員ゆえに、問題を起こす可能性が示唆されている。そうなると、スクールセクハラは、誰にでも起こりえる可能性があるとも言える。以上の二章は、表面的な取材では書けない内容になっていると私の経験からは感じる。著者のテーマへの熱意が感じられる。
また、3章4章と事例とともに、スクールセクハラの起き易い学校のシステムを解説している。部活動、内申書等、教員の持っている権力について詳細な分析と、日本では数少ない支援機関への取材や専門家のコメントもある。現在、スクールセクハラは広く薄く蔓延しているが、秘されている深刻な問題だからこそ、悩んでいる人々にはサポートのヒントになるであろう。