アルコホーリクス・アノニマス の感想

ＡＡの基本テキスト『アルコホーリクス・アノニマス』がアマゾンで買えるようになったのは大変喜ばしい。

この本は「隠れたベストセラー、隠れたロングセラー」だ。1939年にアメリカで出版された後、70近くの言語に翻訳され、全世界で2,000万部以上が販売された。日本では1977年に最初の翻訳が出版され、6万部以上が発行されている。

何よりも大切なことは、この本がアルコホーリク（アルコール依存症者）が酒をやめて、社会に復帰するための手段（12のステップ）の基本的な解説書だということだ。この80年足らずの間に、数百万人のアルコール依存症者が、この本に書かれたやり方で酒をやめ「回復」していった。そして二度と酒に戻ることなく、飲まないまま平和な一生を終えていった者もたくさんいる。

そして、いま現在も、全世界で、そしてもちろん日本のいたるところで、「ＡＡ（アルコホーリクス・アノニマス）」のやり方で酒をやめ、回復していこうという集まりが毎週開かれている。

この本の前半は、どうやって酒をやめ、どうやって人生を元通りにしていくかという方法（12のステップ）について、具体的なやり方が書かれている。「何が問題なのか」そして「何をすればいいのか」が分かるはずだ。

もしあなたが深刻なアルコール依存症者だったとしても、心配は要らない。この本に書かれた12ステップをやってみようという真剣な意欲と、同じやり方に取り組む仲間たちとの交流さえあれば、大丈夫だ。同じことは、まだ依存症の入り口に立ったばかりの人たちにもあてはまる。さらに「妻たちへ」の章は家族がどうすれば良いかを教えてくれる。「家族の未来像」の章は、家族がどのように元通りになっていくかが書かれている。

これが80年前の古い本だと言う人もいる。アメリカ人にはよいが日本人には合わないという人もいる。しかし、80年前も今も、依存症という病気はちっとも変わっていない。アメリカ人の依存症者も日本の依存症者も同じ病気なのは間違いない。だとすれば、この本に書かれたやり方が、現代の日本の依存症者に役立つのは間違いないことだろう。