自閉症スペクトラムとは何か: ひとの「関わり」の謎に挑む (ちくま新書) の感想

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タイトル自閉症スペクトラムとは何か: ひとの「関わり」の謎に挑む (ちくま新書)
発売日販売日未定
製作者千住 淳
販売元筑摩書房
JANコード9784480067494
カテゴリジャンル別 » 暮らし・健康・子育て » 家庭医学・健康 » ストレス・心の病気

購入者の感想

著者は自閉症の研究者であり、当事者(本人、家族)や支援者(医師、教師)の協力を得ながら基礎研究を行い何らかの形で役に立つことを目指しているという。そのような立ち位置の方がいることを初めて知った。

自閉症は障害(障碍、障がい)なのか、個性なのか、病気なのか、視点によって変わり、個人と社会の関わりの中で捉えることの重要性を説いている。

自閉症に関わる遺伝子の稀な変異の組合せは膨大で、しかも他の遺伝子との相互作用や環境との関わりもあるため、遺伝子から見ると一人一人異なる多様な症候群であること、また年齢と環境の関わりの中で自閉症が消えることもあることを知った。

誤信念課題、人まね、視線効果、くっつく注意、カード分類、組合せ探索、埋め込み図形検査は、具体的で非常に興味深かった。
早期発見、早期介入、発達支援の具体例をもっと知りたいし、今後の研究でブレイクスルーがあった際は更新版を継続的に出して欲しいと思いました。

以下の文章に惹かれ反芻しています。

「それぞれの遺伝子多型は、それぞれ単独では多くの人が持っている、ごくごくありふれたものです。しかし個別にはありふれたものであり、多くの人が持っている遺伝子型が、偶然数多く集まり、独特の組合せになったとき、それらの相互作用が自閉症の発達に影響を与える、と考えることができます」

「遺伝子は、体の中の環境、体の外の環境に応じて読み解かれ、発達を引き起こす手順が書かれた「レシピ」です。レシピのどの部分がどのようなタイミングで読み解かれるかは、少なからぬ場合、それぞれの個人の経験、環境にかかっています。遺伝子がどのように発達を導くかは、経験や学習によって大きく変わるのです」

定型発達と非定型発達の違いは何か。ニュータイプのようなものか。定型発達と非定型発達を分かつのは何か。遺伝子が環境との相互作用で働くようにプログラミングされているのか。しかしプログラムは規定された論理なので言わば機械であり、メタフォリカルな処理を行う人間を説明できない。メタフォリカルな処理を、定型発達と非定型発達それぞれに水路づけていくのは何か、どうしてか。分からないことだらけ。自問自答しています。0

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